学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §12 総論 後療法 / QJ29P076

理由で解く 柔道整復師

QJ29P076 柔道整復理論

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問76
問題
筋挫傷の超音波療法で誤っているのはどれか。
選択肢
1 温熱効果と非熱効果がある。
2 感覚障害への使用は禁忌である。
3 治療導子は固定して使用する。
4 治療部位の深さに応じて刺激周波数を設定する。
解答
正解3(治療導子は固定して使用する。)
解説

超音波の導子は一か所に止めず、常にゆっくり動かしながら当てる。止めると音場が偏り、熱がたまって組織を傷めるおそれがある。

超音波療法は毎秒100万〜300万回の縦波を組織に送り込む物理療法である。連続波では振動エネルギーが熱に変わって深部の温度が上がり(温熱効果)、パルス波では熱の蓄積を抑えつつ微小な機械的振動による組織修復の促進をねらう(非温熱効果)。導子を固定すると入射波と反射波が重なって定在波ができ、特定の点にエネルギーが集中して骨膜の痛みや熱傷を招く。導子はカップリング剤で皮膚に密着させたまま、絶えず移動させる。

✓ 3. これが誤り(答え)
治療導子は固定して使用する。
導子を止めると定在波によりエネルギーが局所へ集中し、骨膜痛や熱傷につながる。密着させたまま円を描くように、あるいは往復させながら動かし続けるのが正しい使い方。
✗ 1. 正しい(答えではない)
温熱効果と非熱効果がある。
連続波では吸収されたエネルギーが熱に変わって深部を温め、パルス波では熱の蓄積を抑えながら機械的作用をねらえる。急性期はパルス、亜急性期以降は連続と使い分ける。
✗ 2. 正しい(答えではない)
感覚障害への使用は禁忌である。
温熱を扱う物理療法は、患者の「熱い・痛い」という反応が安全弁になっている。感覚が鈍い部位ではその反応が得られず熱傷に気づけないため用いない。
✗ 4. 正しい(答えではない)
治療部位の深さに応じて刺激周波数を設定する。
周波数が低いほど深く届く。1MHzはおよそ3〜5cmの深部、3MHzは1〜2cm程度の浅い層に適し、目標組織の深さで選ぶ。
ポイント
  • 導子は固定せず、密着させたまま常に動かす(定在波とホットスポットの防止)
  • 連続波=温熱効果、パルス波=非温熱効果(機械的作用)
  • 周波数は1MHzが深部(約3〜5cm)、3MHzが浅部(約1〜2cm)
  • 空気はほとんど超音波を通さないため、ゲルなどカップリング剤か水中法を用いる
  • 禁忌:感覚障害部、成長期の骨端線、悪性腫瘍部、ペースメーカー装着部位、眼・生殖器など
比較表
設定特徴主なねらい
連続波エネルギーが熱に変わる温熱効果(伸張性改善、循環促進)
パルス波熱の蓄積を抑える非温熱効果(組織修復、急性期)
1MHz減衰が少なく深く届く深部の筋・腱(約3〜5cm)
3MHz浅い層で吸収される皮下浅層(約1〜2cm)
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