学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 外科学概論 ▸ §3 外科的感染症 / QJ29P046
理由で解く 柔道整復師
創感染が起こるかどうかは「どんな菌がどれだけ入ったか」だけでなく「その創が菌にとって育ちやすい場所か」で決まります。組織が広くつぶれた挫滅創は、鋭利な切創よりはるかに感染しやすい創です。
挫滅創では、押しつぶされた筋・脂肪が失活組織となって残り、そこに血腫が加わって細菌にとって格好の培地ができます。同時に微小血管が破綻するため局所の血流が乏しく、白血球も血流に乗って運ばれる抗菌薬も創の中心まで届きません。血流が乏しければ酸素分圧も下がり、嫌気性菌が増えやすい環境になります。さらに受傷機転の性質上、土砂・衣類片・アスファルトなどの異物を巻き込みやすい点も加わります。一方の切創は刃物などで組織が鋭く切り離されただけなので、創縁の血流が保たれ、生体側の防御と薬剤の両方が届きます。したがって挫滅創では、十分な洗浄と、失活組織を確実に切除するデブリドマンが治療の中心になります。
| 比較項目 | 切創(鋭的損傷) | 挫滅創(鈍的損傷) |
|---|---|---|
| 受傷機転 | 刃物・ガラスなどで鋭く切離 | 強い圧迫・轢過などで押しつぶされる |
| 創縁 | 整、直線的 | 不整、挫滅して境界が不明瞭 |
| 失活組織 | ほとんどない | 多い(細菌の培地になる) |
| 創部の血流 | 保たれる | 微小循環が破綻し乏しい |
| 白血球・抗菌薬の到達 | 良好 | 不良 |
| 異物混入 | 少ない | 多い(土砂・衣類片など) |
| 感染リスク | 低い | 高い |
| 治療の要点 | 洗浄後に一次縫合しやすい | 洗浄・デブリドマンが必須、開放創+遅延一次縫合も選択 |
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