学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 一般臨床医学 ▸ §12 主要な疾患 消化器疾患 / QJ29P035
理由で解く 柔道整復師
虫垂炎の痛みは心窩部〜臍周囲で始まり、数時間から半日かけて右下腹部へ移動する。正しいのは「初期に上腹部痛を認める」である。
虫垂の内腔が糞石やリンパ濾胞の腫大でふさがると、内圧が上がって虫垂壁が伸展する。この段階の痛みは内臓痛で、虫垂からの求心線維が入る髄節(およそT10)に対応して心窩部から臍周囲にぼんやり感じられ、患者自身も指1本で場所を示せない。悪心・嘔吐・食欲低下を伴うのもこの時期である。炎症が虫垂壁を越えて壁側腹膜に及ぶと痛みは体性痛に変わり、右下腹部のMcBurney点付近に限局して圧痛・反跳痛(Blumberg徴候)・筋性防御が現れる。この「痛みの移動」こそが虫垂炎らしさを最も強く支える病歴所見である。炎症を反映して発熱(多くは37℃台)、白血球増多、CRP上昇を伴う。急性腹症を疑ったときは施術や腹部への温罨法・下剤の使用は避け、状態と経過を記録したうえで速やかに医療機関へ紹介する。
| 時期 | 痛みの性質 | 痛みの部位 | 主な所見 |
|---|---|---|---|
| 発症初期(内臓痛) | 鈍く、場所をはっきり示せない | 心窩部〜臍周囲 | 悪心・嘔吐・食欲低下 |
| 進行期(体性痛) | 鋭く限局する | 右下腹部(McBurney点) | 圧痛・反跳痛・筋性防御、発熱、白血球増多 |
| 穿孔・腹膜炎 | 持続する強い痛み | 腹部全体へ拡大 | 板状硬、高熱、全身状態の悪化 |
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