学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §12 主要な疾患 消化器疾患 / QJ29P036

理由で解く 柔道整復師

QJ29P036 一般臨床医学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問36
問題
ウイルス性肝炎で正しいのはどれか。
選択肢
1 A型肝炎は慢性肝炎に移行しやすい。
2 B型肝炎は生ガキの摂取で起こる。
3 A型肝炎は近年では性行為感染が多い。
4 C型肝炎は感染血液への暴露で感染する。
解答
正解4(C型肝炎は感染血液への暴露で感染する。)
解説

C型肝炎ウイルスは血液を介して感染する。輸血・血液製剤、注射針の使い回し、刺青やピアスなどでの感染血液への曝露が経路であり、4が正しい。

肝炎ウイルスは感染経路で二群に分かれる。A型とE型は経口感染(糞口感染)で、A型は汚染された水や生ガキなどの魚介類、E型は加熱不十分な豚・イノシシ・シカの肉が原因となる。これらは急性肝炎を起こすが慢性化しないのが原則である。一方B型とC型は血液・体液を介して感染し、持続感染すると慢性肝炎から肝硬変、肝細胞癌へと進む可能性がある。とくにC型は感染しても自覚症状に乏しく、成人の初感染でも高率に持続感染へ移行するため、気づかないうちに肝硬変・肝癌へ進行する点が長く問題とされてきた。本問が出題された2021年時点では、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)による治療で高率にウイルス排除が可能となっており、感染の有無を検査で確認することの意義が大きくなっていた。施術の現場では、感染症の有無にかかわらず血液・体液に触れうる場面で標準予防策(スタンダードプリコーション)を守ることが基本になる。

✓ 4. 正しい
C型肝炎は感染血液への暴露で感染する。
C型肝炎ウイルスは血液を介して伝播し、かつての輸血・血液製剤、注射器や注射針の使い回し、刺青・ピアスなどが主な経路である。持続感染しやすく慢性肝炎から肝硬変・肝細胞癌へ進展しうるため、早期発見と治療が重要になる。
✗ 1. 誤り
A型肝炎は慢性肝炎に移行しやすい。
A型肝炎は経口感染による急性肝炎で、通常は一過性の経過をとって治癒し、慢性化しないのが原則である。感染後は終生免疫が得られる。慢性化を問題にするのはB型・C型であり、なかでもC型は持続感染率が高い。
✗ 2. 誤り
B型肝炎は生ガキの摂取で起こる。
生ガキなど魚介類の摂取で起こるのはA型肝炎である。B型肝炎ウイルスは血液・体液を介して感染し、性行為感染、母子感染(垂直感染)、針刺し事故などが経路となる。感染経路が入れ替わっている。
✗ 3. 誤り
A型肝炎は近年では性行為感染が多い。
A型肝炎の主要な感染経路は経口感染であり、性行為感染が主な経路として問題とされてきたのはB型肝炎である。したがってA型についての記述としては当てはまらない。B型はワクチンによる予防が可能で、2016年からは小児への定期接種が行われている。
ポイント
  • 経口感染(糞口)=A型・E型。血液・体液感染=B型・C型。この二群分けが基本。
  • A型は生ガキなど魚介類・汚染水、E型は加熱不十分な豚・イノシシ・シカ肉が原因。いずれも慢性化しない。
  • C型は血液曝露で感染し持続感染しやすい。慢性肝炎→肝硬変→肝細胞癌の経路をたどりうる。
  • B型は性行為・母子感染・針刺しが経路。ワクチンで予防でき、2016年から小児定期接種。
  • 血液・体液に触れうる場面では標準予防策(スタンダードプリコーション)を徹底する。
比較表
主な感染経路慢性化ワクチン
A型経口(汚染水、生ガキなど魚介類)しないあり
B型血液・体液(性行為、母子感染、針刺し)しうる(乳幼児期感染で高率)あり(小児定期接種)
C型血液(輸血・血液製剤、注射針、刺青)高率にするなし
E型経口(加熱不十分な豚・イノシシ・シカ肉)原則しない国内では未承認
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