学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 一般臨床医学 ▸ §4 診察各論 打診 / QJ29P028
理由で解く 柔道整復師
腹水は重力に従って腹腔の低い部分にたまるため、臥位では側腹部(側腹壁側)に液体が集まる。液体の上を打診すると音は響かず、濁音を聴く。
打診音の高低は、その下に空気があるか液体・充実性組織があるかで決まる。空気を多く含む部位は振動がよく伝わって鼓音(腸管や胃泡の上)や清音(正常肺野)となり、液体や実質臓器の上では振動が吸収されて濁音(心臓・肝臓・腹水部)となる。腹水が貯留した腹腔を仰臥位でみると、比重の大きい腹水は左右の側腹部へ流れ、ガスを含んで軽い腸管は浮き上がって臍を中心とする腹部中央に集まる。したがって側腹部=濁音、中央部=鼓音という分布になり、側臥位に変えれば下側になった側が濁音、上側が鼓音へと境界が移動する。これが移動性濁音(shifting dullness)で、腹水を疑う際の基本手技である。腹部膨隆で腹水を疑う所見が得られたら、原因検索が必要なので医療機関受診を勧める。
| 打診音 | 聴かれる部位 | 下にあるもの |
|---|---|---|
| 清音 | 正常肺野 | 含気量の多い肺 |
| 鼓音 | 腹部中央(腹水例)、胃泡部、腸管上 | ガス |
| 濁音 | 側腹部(腹水例)、心・肝の領域 | 液体・実質臓器 |
| グル音(※打診音ではない) | 腹部全体(聴診) | 腸管の蠕動運動 |
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