学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §3 運動の発現と制御 / QJ29A108

理由で解く 柔道整復師

QJ29A108 運動学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問108
問題
反射中枢が延髄にあるのはどれか。
選択肢
1 伸張反射
2 屈筋反射
3 交差性反射
4 緊張性迷路反射
解答
正解4(緊張性迷路反射)
解説

緊張性迷路反射は内耳の前庭器からの入力を延髄の前庭神経核で処理する姿勢反射で、反射中枢は延髄にある。残る3つはいずれも脊髄反射。

反射は「中枢がどの高さにあるか」で階層的に整理すると混乱しない。脊髄レベルには伸張反射・屈筋(逃避)反射・交差性伸展反射などがあり、延髄を含む脳幹下部には緊張性迷路反射や緊張性頸反射といった緊張性姿勢反射が置かれる。さらに中脳レベルには立ち直り反射、大脳皮質レベルには平衡反応(傾斜反応・保護伸展反応)が位置づけられる。緊張性迷路反射では、頭部が重力に対してどう傾いているかを耳石器がとらえ、前庭神経核から前庭脊髄路を介して四肢の筋緊張を変える。仰臥位で伸筋の緊張が高まり、腹臥位で屈筋の緊張が高まるのが典型で、乳児期に認められ発達とともに高位中枢に統合されていく。

✓ 4. 正しい
緊張性迷路反射
頭部の空間内での傾きを前庭器が感知し、延髄の前庭神経核を中枢として四肢の伸筋・屈筋の緊張を変化させる。中枢が延髄にある姿勢反射の代表。
✗ 1. 誤り
伸張反射
筋紡錘からのIa線維が同じ髄節の前角細胞に直接つながる単シナプス反射で、中枢は脊髄。膝蓋腱反射などがこれにあたる。
✗ 2. 誤り
屈筋反射
侵害刺激を受けた側の肢を屈曲させて遠ざける多シナプス反射で、介在ニューロンを介した脊髄内の回路で完結する。
✗ 3. 誤り
交差性反射
屈筋反射に伴い、体重を支えるため対側の下肢が伸展する交差性伸展反射のこと。脊髄内で対側へ乗り換える脊髄反射である。
ポイント
  • 脊髄レベル=伸張反射・屈筋(逃避)反射・交差性伸展反射。
  • 延髄(脳幹下部)レベル=緊張性迷路反射・緊張性頸反射などの緊張性姿勢反射。
  • 中脳レベル=立ち直り反射、大脳皮質レベル=平衡反応。上位ほど姿勢制御が精密になる。
  • 緊張性迷路反射は仰臥位で伸筋緊張、腹臥位で屈筋緊張が高まるのが典型。
  • 中枢の高さを問う設問では、まず「脊髄で完結するか、脳幹以上を経由するか」を切り分ける。
比較表
反射中枢内容
伸張反射脊髄筋紡錘 → Ia線維 → 前角細胞の単シナプス反射
屈筋(逃避)反射脊髄侵害刺激で同側肢が屈曲する多シナプス反射
交差性伸展反射脊髄屈筋反射に伴い対側肢が伸展し体重を支える
緊張性迷路反射延髄(前庭神経核)頭部の傾きに応じて四肢の筋緊張が変化
緊張性頸反射延髄頸部の向き・屈伸に応じて四肢の筋緊張が変化
立ち直り反射中脳頭部・体幹を正しい位置に戻す
平衡反応大脳皮質傾斜・保護伸展など随意的要素を含む姿勢反応
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