学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §3 運動の発現と制御 / QJ28A109

理由で解く 柔道整復師

QJ28A109 運動学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問109
問題
痙性片麻痺で健側下肢を外転させると患側下肢が外転するのはどれか。
選択肢
1 レミスト反応
2 対側性連合反応
3 屈筋共同運動
4 伸筋共同運動
解答
正解1(レミスト反応) または 2(対側性連合反応) 〈複数正答:いずれも正解〉
解説

※本問は複数正答(厚生労働省が複数の選択肢を正解と認定)。選択肢 1/2 のいずれを選んでも正解。

健側下肢の外転が患側下肢に同方向の外転を引き出す現象で、固有名としてはレミスト反応、上位概念としては下肢の対側性連合反応と説明できます。本問は複数正解の措置がとられ、1と2のどちらを選んでも正解となりました。

連合反応とは、片麻痺患者が健側で努力性の運動を行ったときに、患側に不随意の筋緊張亢進や運動が現れる現象をいいます。患者本人が意図して患側を動かしているわけではない点が本質です。出方には規則性があり、上肢では対称性(左右で同じ運動が現れる)に出現します。これに対し下肢では、屈曲・伸展は相反性(健側の屈曲→患側の伸展、健側の伸展→患側の屈曲)に、内転・外転のみ対称性(同名性、すなわち同じ方向)に出現します。ここを「下肢はすべて同名」と丸暗記してしまうと、「健側下肢を屈曲させると患側下肢はどうなるか」型の設問で必ず誤答するので注意してください。そして、この内転・外転における対称性こそがレイミステ(Raimiste)現象であり、本問がわざわざ「外転」という条件で出題されているのはそのためです。つまりレミスト反応は、下肢の対側性連合反応のうち内転・外転という条件下で現れるものにつけられた固有名で、両者は下位概念と上位概念の関係にあります。本問の条件(外転)ではこの二つが指す内容が一致するため、固有名で答えても総称で答えても筋が通り、出題者側で複数正解の措置がとられました。臨床では、こうした連合反応が強く出る場面では健側の過剰な努力を避け、患側の筋緊張が高まりすぎない範囲で運動課題を組み立てていきます。

✓ 1. 正しい(複数正解の一つ)
レミスト反応
健側下肢の内転・外転(に抵抗を加えたとき)によって、患側下肢にも同じ方向の内転・外転が現れる現象の固有名です(Raimiste 現象)。下肢で対称性(同名性)に出るのは内転・外転に限られ、設問の条件はまさにこれにあたります。
✓ 2. 正しい(複数正解の一つ)
対側性連合反応
健側の努力性運動が対側(患側)に不随意運動を引き出す現象の総称です。下肢の屈曲・伸展では相反性に出ますが、本問の条件である内転・外転では下肢でも同じ方向に出現するため、設問の記述に当てはまります。レミスト反応はこの条件下での呼び名という関係です。
✗ 3. 誤り
屈筋共同運動
患側そのものを随意的に動かそうとしたときに現れる定型パターンで、下肢では股関節屈曲・外転・外旋、膝屈曲、足背屈・内反の組み合わせをとります。健側の運動によって誘発されるものではないため、設問の状況と合いません。
✗ 4. 誤り
伸筋共同運動
こちらも患側の随意運動に伴う定型パターンで、下肢では股関節伸展・内転・内旋、膝伸展、足底屈・内反の組み合わせです。誘発のきっかけが健側ではない点で、設問の記述とは異なります。
ポイント
  • 連合反応=健側の努力性運動によって患側に現れる不随意の運動・筋緊張亢進。患者の随意運動ではない。
  • 出方の典型:上肢は対称性(左右同じ運動)下肢は屈曲・伸展が相反性(健側屈曲→患側伸展)、内転・外転が対称性(同名性)
  • 「下肢は同名」と一括で覚えると誤答のもと。下肢で同じ方向に出るのは内転・外転だけで、屈伸は逆向きに出る。
  • レミスト反応は、この内転・外転における対称性につけられた固有名(レイミステ現象)。下肢の対側性連合反応の一例。
  • 共同運動は患側を動かそうとしたときに出る定型パターン。誘発のきっかけが連合反応とは異なる、が鑑別の軸。
  • 本問は複数正解の措置がとられ、1・2のどちらでも正解。「外転」という条件下で上位概念と下位概念が一致するため。
比較表
用語誘発のきっかけ出現部位内容
対側性連合反応健側の努力性運動患側不随意の運動・筋緊張亢進。上肢は対称性/下肢は屈曲・伸展が相反性、内転・外転が対称性
レミスト反応健側下肢の内転・外転(抵抗)患側下肢同方向の内転・外転が起こる。下肢で対称性に出る唯一の条件=上記の代表例
屈筋共同運動患側の随意運動の試み患側下肢:股屈曲・外転・外旋/膝屈曲/足背屈・内反
伸筋共同運動患側の随意運動の試み患側下肢:股伸展・内転・内旋/膝伸展/足底屈・内反
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