学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §3 運動の発現と制御 / QJ28A108

理由で解く 柔道整復師

QJ28A108 運動学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問108
問題
多シナプス反射はどれか。
選択肢
1 膝蓋腱反射
2 伸張反射
3 屈筋反射
4 アキレス腱反射
解答
正解3(屈筋反射)
解説

反射弓の途中に介在ニューロンを複数はさむのが多シナプス反射で、選択肢の中では屈筋反射がこれにあたります。正解は3。

反射は、反射弓に含まれるシナプスの数で単シナプス反射と多シナプス反射に分けられます。単シナプス反射の代表が伸張反射で、筋紡錘からのIa群求心性線維が脊髄前角のα運動ニューロンに直接シナプスを作ります。途中にシナプスが1つしかないため潜時がきわめて短く、反応も叩いた筋そのものに限られるのが特徴です。一方、屈筋反射(屈曲反射・逃避反射)は、皮膚の侵害受容器からの入力が脊髄内で複数の介在ニューロンを経由してから運動ニューロンに達します。そのため潜時が長く、同側の複数の関節の屈筋がまとめて収縮し、同時に拮抗する伸筋は相反抑制されます。刺激が強いほど反応が広い範囲に及ぶ(時間的・空間的加重が起こる)のも多シナプス反射ならではです。さらに立位で片脚に痛み刺激が加わると、対側では伸筋が収縮して体重を支える交叉性伸展反射が起こり、倒れずにすみます。「腱反射の具体名は単シナプス側」とまとめて処理すると、この種の設問は速く解けます。

✓ 3. 正しい
屈筋反射
侵害刺激が脊髄内で複数の介在ニューロンを介してから運動ニューロンに伝わる、典型的な多シナプス反射です。熱いものに触れて手足を引っ込める逃避反射がこれにあたります。
✗ 1. 誤り
膝蓋腱反射
大腿四頭筋腱をたたいて筋紡錘を伸ばし、大腿四頭筋が収縮する伸張反射の一つ(反射中枢はL2〜L4)。介在ニューロンを介さない単シナプス反射です。
✗ 2. 誤り
伸張反射
筋紡錘のIa群線維が同名筋のα運動ニューロンに直接シナプスする、単シナプス反射そのものです。多シナプス反射の対極に置かれる概念です。
✗ 4. 誤り
アキレス腱反射
下腿三頭筋の伸張反射(反射中枢はS1〜S2)で、こちらも単シナプス反射です。膝蓋腱反射と同じ仲間としてまとめて覚えられます。
ポイント
  • 単シナプス反射=伸張反射(腱反射)。膝蓋腱反射・アキレス腱反射・上腕二頭筋腱反射などはすべてこの仲間。
  • 多シナプス反射=屈筋反射(逃避反射)、交叉性伸展反射、腹壁反射・挙睾筋反射などの表在反射。
  • 単シナプスは潜時が短く反応が限局。多シナプスは潜時が長く、刺激が強いほど反応が広がる。
  • 屈筋反射では同側の屈筋が収縮し、拮抗する伸筋は相反抑制される。対側では交叉性伸展反射が起こる。
  • 選択肢に腱反射の固有名が並んでいたら、それらはまとめて単シナプス側と判断してよい。
比較表
項目単シナプス反射多シナプス反射
代表例伸張反射(膝蓋腱反射・アキレス腱反射)屈筋反射、交叉性伸展反射、腹壁反射
受容器筋紡錘皮膚の侵害受容器など
求心性線維Ia群III群・IV群(Aδ・C)など
介在ニューロン介さない複数を介する
潜時短い長い
反応の広がり刺激した筋に限局複数関節・複数分節に及ぶ
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