学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §3 運動の発現と制御 / QJ27A088

理由で解く 柔道整復師

QJ27A088 運動学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問88
問題
随意運動の発現で正しいのはどれか。
選択肢
1 運動への動機づけは大脳連合野が担う。
2 大脳辺縁系からの信号は大脳感覚野に伝達される。
3 大脳運動野からの運動指令は基底核に伝達される。
4 小脳には運動のフィードバック調節機能がある。
解答
正解4(小脳には運動のフィードバック調節機能がある。)
解説

随意運動は「動機づけ(大脳辺縁系)→ 企画(大脳連合野)→ 調節(大脳基底核・小脳)→ 指令(大脳運動野)→ 実行(錐体路・脊髄)」という流れで起こるとされる。小脳のフィードバック調節に触れた選択肢4が正しい。

教科書的な流れとしては、まず「動きたい」という動機づけが大脳辺縁系で生まれ、その信号が大脳連合野に送られて「どう動くか」の運動プログラムが組み立てられる。連合野からの情報は大脳基底核と小脳に送られ、運動の順序・力加減・タイミングが整えられたうえで、視床を経由して大脳運動野に戻る。運動野から出た指令は錐体路(皮質脊髄路)を下って脊髄前角細胞に届き、末梢神経を介して筋が収縮する。運動が始まった後は、筋・腱・関節・前庭からの情報が小脳に送られ、意図した動きと実際の動きのずれが修正されると説明される。この一連の並びを一度書き出しておくと、どの段階の話をしているのかで選択肢を切り分けられる。

✓ 4. 正しい
小脳には運動のフィードバック調節機能がある。
小脳は脊髄小脳路や前庭・視覚からの情報で「実際に起きている動き」を受け取り、意図した動きとの誤差を検出して修正をかける役割を担うとされる。この誤差修正が働かないと、測定障害(dysmetria)・企図振戦・運動分解といった協調運動障害が現れる。練習を重ねて動きが滑らかになる運動学習にも小脳の関与が知られている。
✗ 1. 誤り
運動への動機づけは大脳連合野が担う。
動機づけ・意欲を生む段階は大脳辺縁系が担うと説明されるのが一般的である。大脳連合野の役割は、その動機を受けて具体的な運動プログラムを組み立てることで、段階が1つ後ろになる。「動きたい(辺縁系)」と「どう動くか(連合野)」を分けて整理したい。
✗ 2. 誤り
大脳辺縁系からの信号は大脳感覚野に伝達される。
動機づけの信号が向かう先は大脳連合野(前頭連合野・運動連合野)とされる。感覚野は末梢からの感覚情報を受け取って処理する領域で、随意運動が起こるまでの流れの出発点には位置づけられない。行き先を「感覚野」ではなく「連合野」と置き換えて覚え直す。
✗ 3. 誤り
大脳運動野からの運動指令は基底核に伝達される。
運動野から出る「実行の指令」は錐体路を通って脊髄前角細胞へ向かうと説明される。大脳基底核へ情報を送るのは主に連合野で、基底核は視床を介して運動野に戻るループを形成する。順序を「連合野 → 基底核・小脳 → 視床 → 運動野 → 脊髄」と口に出して確認しておくとよい。
ポイント
  • 流れ: 大脳辺縁系(動機づけ)→ 大脳連合野(企画・プログラム)→ 大脳基底核/小脳(調節)→ 視床 → 大脳運動野(指令)→ 錐体路 → 脊髄前角 → 筋
  • 小脳=フィードバック(誤差修正)と運動学習。障害で協調運動障害が出る
  • 大脳基底核=運動の開始と抑制、筋緊張の調節。障害でパーキンソン病や不随意運動が出る
  • 運動野から下りる主経路は錐体路で、行き先は脊髄前角細胞
  • 「動機づけ=辺縁系/企画=連合野」を分けて覚えると、この形式の設問で迷わない
比較表
部位随意運動での役割障害時にみられる症状
大脳辺縁系動機づけ・意欲を生む意欲低下、行動の開始困難
大脳連合野運動の企画・プログラム作成失行(動作の組み立て障害)
大脳基底核運動の開始・抑制、筋緊張の調節寡動・固縮、舞踏運動などの不随意運動
小脳フィードバックによる誤差修正、運動学習測定障害、企図振戦、運動分解、失調性歩行
大脳運動野・錐体路指令の発信と伝達痙性麻痺、Babinski反射陽性
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