学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §2 運動器の構造と機能 / QJ29A107

理由で解く 柔道整復師

QJ29A107 運動学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問107
問題
運動神経はどれか。
選択肢
1 嗅神経
2 視神経
3 内耳神経
4 副神経
解答
正解4(副神経)
解説

副神経(第XI脳神経)は胸鎖乳突筋と僧帽筋を支配する純粋な運動性脳神経である。ほかの3つはいずれも特殊感覚を伝える感覚性脳神経。

12対の脳神経は、運動性・感覚性・混合性の3種に整理できる。純粋な感覚性は嗅神経(I)・視神経(II)・内耳神経(VIII)の3本だけで、それぞれ嗅覚・視覚・聴覚と平衡覚という特殊感覚を伝える。純粋な運動性は動眼(III)・滑車(IV)・外転(VI)・副(XI)・舌下(XII)の5本。残る三叉(V)・顔面(VII)・舌咽(IX)・迷走(X)が混合性である。「1・2・8番だけが感覚専用」と番号でまとめておくと、この形式の問題は瞬時に選別できる。副神経は延髄根と脊髄根からなる。脊髄根は第1〜第5(6)頸髄の前角外側部にある副神経核から起こり、前根と後根の中間の外側面から出て上行、大後頭孔から頭蓋内に入って延髄根と合流し、頸静脈孔から頭蓋外へ出て胸鎖乳突筋・僧帽筋へ向かう。したがって障害されると頭部を反対側へ回す力が落ち、肩甲骨の挙上不良や肩甲骨の外方偏位(僧帽筋麻痺による軽度の外方型翼状肩甲)がみられる。なお、国家試験で問われる典型的な翼状肩甲は前鋸筋麻痺(長胸神経麻痺)によるものであり、僧帽筋麻痺による外方型とは区別して覚える。

✓ 4. 正しい
副神経
純粋な運動性脳神経で、胸鎖乳突筋と僧帽筋の運動を担う。感覚線維を含まない。
✗ 1. 誤り
嗅神経
鼻腔上部の嗅上皮から嗅球へ嗅覚を伝える感覚性(特殊感覚)の脳神経で、筋を支配しない。
✗ 2. 誤り
視神経
網膜からの視覚情報を伝える感覚性脳神経。眼球を動かすのは動眼・滑車・外転神経であり、視神経ではない。
✗ 3. 誤り
内耳神経
蝸牛神経(聴覚)と前庭神経(平衡覚)からなる感覚性脳神経。運動線維は含まない。
ポイント
  • 感覚性は3本のみ ― 嗅(I)・視(II)・内耳(VIII)。いずれも特殊感覚。
  • 運動性は5本 ― 動眼(III)・滑車(IV)・外転(VI)・副(XI)・舌下(XII)。
  • 混合性は4本 ― 三叉(V)・顔面(VII)・舌咽(IX)・迷走(X)。
  • 副神経の脊髄根は第1〜5頸髄の前角(副神経核)から起こり、前根と後根の間の外側面から出て上行、大後頭孔から頭蓋内へ入る。延髄根と合流したのち頸静脈孔から出る。
  • 副神経の支配筋は胸鎖乳突筋と僧帽筋。障害では頸部回旋力の低下、肩甲骨の挙上不良、肩甲骨の外方偏位。
  • 翼状肩甲の定型は前鋸筋麻痺(長胸神経麻痺)。僧帽筋麻痺で生じるのは外方型の軽いもので、両者は分けて覚える。
  • 動眼・顔面・舌咽・迷走は副交感線維も含む点をあわせて確認しておく。
比較表
性質該当する脳神経覚え方の要点
感覚性(3本)嗅(I)・視(II)・内耳(VIII)すべて特殊感覚(嗅覚・視覚・聴覚と平衡覚)
運動性(5本)動眼(III)・滑車(IV)・外転(VI)・副(XI)・舌下(XII)眼球運動3本+副・舌下
混合性(4本)三叉(V)・顔面(VII)・舌咽(IX)・迷走(X)顔・口・内臓に関わる神経
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