学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §2 運動器の構造と機能 / QJ30A106

理由で解く 柔道整復師

QJ30A106 運動学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問106
問題
内耳で回転加速度を感知するのはどれか。
選択肢
1 三半規管
2 卵形嚢
3 球形嚢
4 蝸牛
解答
正解1(三半規管)
解説

内耳の平衡覚は役割分担がはっきりしていて、「回転(角加速度)は半規管、直線加速度と頭の傾きは耳石器」と分かれています。回転加速度を感知するのは三半規管です。

三半規管は互いにほぼ直交する3本のループ(前・後・外側半規管)からなり、それぞれの根元のふくらみ(膨大部)に感覚細胞が集まった膨大部稜があります。頭が回り始めると、管の中の内リンパが慣性で遅れて動き、その流れがゼラチン様のクプラを押し倒します。クプラのたわみが有毛細胞の感覚毛の傾きに変換され、前庭神経のインパルス頻度が増減して「どの面を、どちら向きに、どれだけ速く回ったか」が中枢へ伝わります。3方向に配置されているので、あらゆる回転面の成分を分解して捉えられるわけです。一方、卵形嚢と球形嚢の平衡斑には耳石(平衡砂)が乗っており、重力や直線加速度で耳石がずれることを手がかりにします。試験対策としては「回転=半規管/直線・傾き=耳石器/音=蝸牛」の三分割で押さえると、内耳の問題はほぼ取り切れます。

✓ 1. 正しい
三半規管
膨大部稜のクプラが内リンパの慣性でたわむことで、角加速度(回転加速度)を検出します。回転が続いて速度が一定になるとクプラは元に戻り刺激が消える、という「加速度センサー」らしい性質も特徴です。
✗ 2. 誤り
卵形嚢
平衡斑がほぼ水平に位置し、耳石のずれから前後・左右方向の直線加速度と頭部の傾きを感知します。回転そのものは担当しません。
✗ 3. 誤り
球形嚢
平衡斑がほぼ垂直に位置し、上下方向の直線加速度(エレベーターの昇降など)と傾きを感知します。こちらも耳石器で、回転の受容器ではありません。
✗ 4. 誤り
蝸牛
平衡覚ではなく聴覚の受容器です。内部のラセン器(コルチ器)で音の振動を電気信号に変え、蝸牛神経で伝えます。
ポイント
  • 回転加速度(角加速度)=三半規管。膨大部稜のクプラが内リンパの流れでたわんで感知する
  • 直線加速度・頭部の傾き=卵形嚢と球形嚢(平衡斑+耳石)
  • 卵形嚢の平衡斑はほぼ水平、球形嚢の平衡斑はほぼ垂直に位置する
  • 蝸牛は聴覚(ラセン器)専門で、平衡には関与しない
  • 半規管は3本がほぼ直交しており、どんな回転面でも成分に分解して捉えられる
比較表
部位受容器感知するもの伝える神経
三半規管(前・後・外側)膨大部稜+クプラ回転加速度(角加速度)前庭神経
卵形嚢平衡斑(水平位)+耳石水平方向の直線加速度・傾き前庭神経
球形嚢平衡斑(垂直位)+耳石垂直方向の直線加速度・傾き前庭神経
蝸牛ラセン器(コルチ器)音(聴覚)蝸牛神経
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。