学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §4 呼吸 / QJ29A089

理由で解く 柔道整復師

QJ29A089 生理学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問89
問題
血液中の二酸化炭素の運搬形態で最も多いのはどれか。
選択肢
1 重炭酸イオン
2 カルバミノ化合物
3 血漿に物理的に溶解したもの
4 赤血球中に物理的に溶解したもの
解答
正解1(重炭酸イオン)
解説

血液中の二酸化炭素は約70%が重炭酸イオン(HCO₃⁻)として運ばれます。カルバミノ化合物が約20〜23%、物理的溶解が約7〜10%で、重炭酸イオンが圧倒的な主役です。

組織で生じたCO₂は赤血球に入り、そこに豊富な炭酸脱水酵素の働きでH₂O+CO₂→H₂CO₃と一気に反応し、すぐにH⁺とHCO₃⁻に分かれます。生じたHCO₃⁻は赤血球膜を通って血漿へ出ていき、代わりにCl⁻が赤血球に入ります(クロライドシフト=塩素移動)。この交換によって電気的な釣り合いが保たれ、HCO₃⁻の産生が滞らずに進みます。残ったH⁺はヘモグロビンが受け取って緩衝するため、血液のpHは大きく崩れません。肺ではこの反応がすべて逆向きに進み、HCO₃⁻がCO₂に戻って呼気へ排出されます。CO₂運搬が同時に酸塩基平衡の調節でもある、という点まで理解しておくと応用が利きます。

✓ 1. これが答え
重炭酸イオン
赤血球内の炭酸脱水酵素がCO₂を素早くH₂CO₃に変え、これがH⁺とHCO₃⁻に解離します。HCO₃⁻は血漿へ移って運ばれ、全CO₂運搬量の約70%を占める最大の形態です。
✗ 2. 当てはまらない
カルバミノ化合物
CO₂がヘモグロビンなど蛋白質のアミノ基と結合した形(カルバミノヘモグロビン)で、約20〜23%を占めます。2番目に多い形態ですが最多ではありません。
✗ 3. 当てはまらない
血漿に物理的に溶解したもの
CO₂は酸素より溶けやすいものの、物理的溶解として運ばれるのは全体の1割程度にとどまります。ただしこの溶存CO₂がPaCO₂として測定される値です。
✗ 4. 当てはまらない
赤血球中に物理的に溶解したもの
赤血球内に入ったCO₂の大半は炭酸脱水酵素によってただちにHCO₃⁻へ変換されるため、溶けたまま留まる分はごくわずかです。最多の形態にはなりません。
ポイント
  • CO₂の運搬形態は重炭酸イオン約70%>カルバミノ化合物約20〜23%>物理的溶解約7〜10%。
  • 赤血球内の炭酸脱水酵素がCO₂+H₂O→H₂CO₃→H⁺+HCO₃⁻の反応を加速する。
  • HCO₃⁻が血漿へ出る代わりにCl⁻が赤血球へ入る=クロライドシフト(塩素移動)。
  • 生じたH⁺はヘモグロビンが緩衝するため血液pHは保たれる。CO₂運搬は酸塩基平衡と一体。
  • 肺では同じ反応が逆向きに進み、HCO₃⁻がCO₂に戻って呼気へ排出される。
比較表
運搬形態割合の目安仕組み
重炭酸イオン(HCO₃⁻)約70%赤血球内の炭酸脱水酵素で生成、血漿へ移動
カルバミノ化合物約20〜23%ヘモグロビンなど蛋白質のアミノ基と結合
物理的溶解約7〜10%血漿・赤血球内に溶けたまま。PaCO₂として測定
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