学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §35 包帯法 / QJ29A037

理由で解く 柔道整復師

QJ29A037 必修問題

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問37
問題
肩関節強制内転位で固定する包帯法はどれか。
選択肢
1 デゾー
2 チューブ
3 セイヤー
4 ヴェルポー
解答
正解4(ヴェルポー)
解説

肩関節を強制内転位に保って固定するのはヴェルポー包帯である。患側の手を健側の肩に乗せ、上腕を胸壁に密着させる形が特徴である。

ヴェルポー包帯は、患側の前腕を胸の前で斜めに挙げ、手を健側の肩(または鎖骨部)に置いた肢位で、上腕ごと体幹に巻き込むように固定する方法である。この肢位では肩関節が強く内転・内旋し、上腕骨頭が関節窩から前方へ逃げにくくなるため、肩関節前方脱臼の整復後の固定などに用いられる。同じく上肢を体幹に固定するデゾー包帯は、上腕を体側につけて前腕を体幹の前で水平に吊る形で、腋窩に枕子を入れたうえで数本の帯を順に巻いていく。手を健側の肩に乗せるほど強く内転させるのがヴェルポー、上腕を体側につけて前腕を吊るのがデゾー、と完成した形の違いで覚えると取り違えない。いずれの固定でも装着後は手指の色調・知覚・運動を確認し、長期化する場合は肘・手指の拘縮を防ぐ運動を並行して行う。

✗ 1. 誤り
デゾー
上腕を体側につけ、腋窩に枕子を入れて前腕を体幹の前で吊る固定法。上肢を体幹に固定する点は共通だが、手を健側の肩に乗せる強制内転位はとらない。
✗ 2. 誤り
チューブ
筒状に織られた既製の包帯を被せて用いるもので、指や四肢の被覆・ガーゼの保持が目的である。関節を特定の肢位に保つ固定力はない。
✗ 3. 誤り
セイヤー
絆創膏(テープ)を用いる固定法で、おもに鎖骨骨折に対して使われる。肩関節を強制内転位に保つことを目的としたものではない。
✓ 4. 正しい
ヴェルポー
患側の手を健側の肩に乗せ、上腕を胸壁に密着させて固定する。肩関節は強い内転・内旋位となり、上腕骨頭が前方へ逃げるのを防ぐ。
ポイント
  • ヴェルポー包帯=手を健側の肩に乗せ、上腕を胸壁に密着。肩関節は強制内転・内旋位。
  • デゾー包帯=上腕を体側につけ、腋窩枕子を入れて前腕を吊る。
  • 形で覚える:手が健側の肩に乗る → ヴェルポー、前腕が体幹の前で水平 → デゾー。
  • セイヤー=絆創膏を用いる固定法、チューブ包帯=被覆用で固定力はない。
  • 固定後は手指の色調・知覚・運動を確認し、肘・手指の拘縮予防運動を併用する。
比較表
包帯法肢位・形材料
ヴェルポー包帯手を健側の肩へ、上腕を胸壁に密着(強制内転位)巻軸包帯
デゾー包帯上腕を体側に、腋窩枕子、前腕を体幹前で吊る巻軸包帯
セイヤー絆創膏固定肩の位置を保持(おもに鎖骨骨折)絆創膏
チューブ包帯被覆・ガーゼ保持(固定力なし)筒状既製包帯
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