学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §9 上腕骨外科頸外転型骨折の診察および整復 / QJ29A009

理由で解く 柔道整復師

QJ29A009 必修問題

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問9
問題
上腕骨外科頸骨折の受傷直後患者に対する介助方法で誤っているのはどれか。
選択肢
1 上腕部を胸壁に密着させる。
2 前腕部を把持し安定させる。
3 衣類を患側から脱がせる。
4 上肢と頭部を把持し背臥位とする。
解答
正解3(衣類を患側から脱がせる。)
解説

衣類は健側から脱がせ、着せるときは患側から(脱健着患)。患側から脱がせるとした3が設問の答え。

上腕骨外科頸骨折の直後は、わずかな上腕の動きでも骨折部が動揺して激痛を生じ、転位の増強や腋窩神経・腋窩動脈の損傷を招くおそれがある。介助の原則は「患肢を動かさず、周囲を患肢に合わせる」こと。上腕を胸壁に密着させて体幹と一体化させ、前腕を支えて肘の位置を保つ。脱衣は健側の袖を先に抜き、次に体幹側を通し、最後に患側の袖をそっと外す。袖が抜けないときは無理をせず、縫い目を切るか衣類を切開してよい。着せるときは逆に患側から袖を通す。搬送や臥床の際は上肢と頭部を同時に支え、患肢が振られないようにする。

✗ 1. 正しい記述(答えではない)
上腕部を胸壁に密着させる。
上腕を体幹と一体にして固定に近い状態をつくり、骨折部の動揺を最小限にする基本の介助。
✗ 2. 正しい記述(答えではない)
前腕部を把持し安定させる。
前腕を支えることで肘の位置が保たれ、上腕が振られなくなる。疼痛の軽減にもつながる。
✓ 3. これが誤り(正解)
衣類を患側から脱がせる。
患側から袖を抜こうとすると、肩と肘を大きく動かすことになり骨折部が動揺する。健側の袖を先に抜き、患側は最後にそっと外す。抜けないときは衣類を切って構わない。
✗ 4. 正しい記述(答えではない)
上肢と頭部を把持し背臥位とする。
臥床させる際に上肢と頭部を同時に支えれば、患肢が振られず安全に体位を変えられる。
ポイント
  • 合言葉は「脱健着患」=脱ぐときは健側から、着るときは患側から。
  • 介助の原則は患肢を動かさないこと。上腕を胸壁に密着させ、前腕を支えて肘の位置を保つ。
  • 袖が抜けないときは無理に引かず、縫い目を切るか衣類を切開する。
  • 体位変換・搬送では上肢と頭部を同時に支える。
  • 受傷直後・介助前後に橈骨動脈の拍動と肩外側の知覚(腋窩神経)を確認する。
比較表
場面先に扱う側理由
脱がせる健側患肢の運動を最後の最小限にできる
着せる患側患肢を大きく動かさずに袖を通せる
袖が抜けない引っ張らず衣類を切開する
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