学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ28P120
理由で解く 柔道整復師
ファーレンテスト陽性、フィンケルスタインテスト陰性、パーフェクトOの不整——正中神経が手根管で絞扼された像。正中神経の支配域から外れる4の小指には感覚障害がみられない。
手根管は屈筋支帯と手根骨で囲まれたトンネルで、屈筋腱とともに正中神経が通る。ここが狭くなると正中神経が圧迫され、手掌側では母指・示指・中指と環指の橈側半分にしびれや感覚鈍麻が出る。環指は橈側半が正中神経、尺側半が尺骨神経という「割れた」支配を受けるため、環指の内側と外側で感じ方が違うという訴えは手根管症候群を強く示唆する所見になる。一方、小指は全体が尺骨神経の支配で、その走行は手根管の外(ギヨン管)を通るため、手根管症候群では感覚障害を生じない。運動面では短母指外転筋など母指球筋が障害されて母指の対立が拙劣になり、母指と示指で輪をつくるパーフェクトOが丸くならず角ばる。ボタンかけの不自由さもこの巧緻運動障害を反映している。フィンケルスタインテスト陰性はド・ケルバン病を除外する情報である。中年女性に多い疾患であり、母指球の萎縮が進む前に医師の評価と手関節の安静・夜間の装具などの対応につなげたい。
| 指(掌側) | 支配神経 | 手根管症候群での感覚障害 |
|---|---|---|
| 母指 | 正中神経 | あり |
| 示指 | 正中神経 | あり |
| 中指 | 正中神経 | あり |
| 環指 | 橈側半=正中神経/尺側半=尺骨神経 | 橈側半にあり |
| 小指 | 尺骨神経 | なし |
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