学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ28P119
理由で解く 柔道整復師

竹刀の素振りという反復性の軽微な外力で、半年かけて徐々に進行した手関節背側中央の痛み・腫脹・握力低下。月状骨軟化症(キーンベック病)の典型像である。
月状骨は近位手根骨列の中央、橈骨と有頭骨に挟まれた位置にあり、手関節に加わる荷重が集中する。表面の大部分が関節軟骨で覆われているため栄養血管の入口は掌側・背側のわずかな部分に限られ、繰り返す圧迫や微小外傷で血行が障害されると阻血性壊死に陥る。20〜30代の手を酷使する男性に多く、剣道の素振りのように手関節に衝撃と背屈が繰り返し加わる動作は典型的な背景になる。経過は緩徐で、初めは「違和感」程度にとどまり、進行につれて手関節背側中央の腫脹と圧痛、背屈制限、握力低下が明らかになる。手指そのものには病変がないので手指の運動痛がない——この一点が腱由来の疾患を遠ざける決め手になる。圧痛点は手関節背側の中央、橈骨遠位端のすぐ遠位で、第3中手骨の延長線上に押し込むと再現される。単純エックス線で早期には変化が乏しく、MRIで初めて血行障害がとらえられることがあるため、疑ったら画像評価のため医師の診察につなぎ、それまでは手関節への衝撃動作を減らすよう具体的に助言する。
| 疾患 | 発症様式 | 圧痛部位 | 特徴的所見 |
|---|---|---|---|
| 月状骨軟化症 | 緩徐・反復外力 | 手関節背側中央 | 背屈制限、握力低下、手指運動痛なし |
| 月状骨脱臼 | 急性・過伸展強制 | 手関節掌側の膨隆部 | 正中神経症状(母指〜環指橈側のしびれ) |
| 尺骨茎状突起骨折 | 急性・外傷 | 手関節尺側 | 橈骨遠位端骨折に合併しやすい |
| 長母指伸筋腱腱鞘炎 | 緩徐・使いすぎ | リスター結節周囲 | 母指の自動伸展で疼痛、軋轢音 |
解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。