学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ28P107

理由で解く 柔道整復師

QJ28P107 柔道整復理論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問107
問題
圧痛部を別に示す。考えられる疾患はどれか。
図
選択肢
1 フライバーグ(Freiberg)病
2 第1ケーラー(Kohler) 病
3 モートン(Morton)病
4 種子骨障害
解答
正解4(種子骨障害)
解説

図の×印は足底で母趾の付け根の膨らみ、すなわち第1中足骨頭の底側(母趾球)に打たれている。この部位で圧痛の原因になる骨は短母趾屈筋腱の中に埋まる母趾種子骨なので、種子骨障害が答えです。

図は足の裏を描いたもので、×印は母趾の長軸をそのまま近位にたどった線上、母趾球の膨らみのほぼ中央にある。その深部にあるのが第1中足骨頭の底面で、骨頭と皮膚のあいだを走る短母趾屈筋腱の中に、内側(脛側)・外側(腓側)2個の母趾種子骨が埋まっている。種子骨は骨頭の下で滑車のように働き、蹴り出しのたびに体重と屈筋の張力を直接受け止めるため、ランニングやジャンプの繰り返し、前足部に荷重が集中する靴、開張足や外反母趾があると負担が集中し、炎症・疲労骨折・無腐性壊死などを起こす。障害は内側(脛側)種子骨に多い。所見は母趾球底側に限局した圧痛と荷重時痛で、母趾MTP関節を他動的に背屈させると種子骨が遠位へ引き上げられて痛みが増す。この形式の問題は「×がどこにあるか」を4つの座標に振り分ければ解ける。母趾球の底側=種子骨障害、第2中足骨頭=フライバーグ病、足背内側の舟状骨=第1ケーラー病、中足骨頭と中足骨頭の間=モートン病、である。対応は前足部への荷重を減らす除圧パッドと靴の見直し、活動量の調整が基本で、疲労骨折や壊死が疑われる経過では画像評価のため医師の診察につなぐ。

✓ 4. 最も考えられる(答え)
種子骨障害
×印が置かれた母趾球の底側で、最も浅層にあって足底からの圧迫を直接受ける骨は母趾種子骨(内側・外側の2個)である。圧痛がこの一点に限局しているのだから種子骨障害と考える。裏づけとしては、荷重時痛・蹴り出し時痛の有無と、母趾MTP関節を他動的に背屈させたときに疼痛が増強するかを追加で確かめるとよい。
✗ 1. 考えにくい(答えではない)
フライバーグ(Freiberg)病
第2(時に第3)中足骨頭に起こる骨端症(無腐性壊死)で、第2ケーラー病とも呼ばれる。圧痛点なら図の×は母趾の1つ外側の列の中足骨頭部に打たれるはずで、背側から圧迫しても痛む。10代の女性に多く、進行すると中足骨頭が扁平化してMTP関節の可動域が制限される。今回の×は母趾の列(第1列)に一致しており、第2列ではない。
✗ 2. 考えにくい(答えではない)
第1ケーラー(Kohler) 病
足舟状骨の骨端症で、圧痛は足背内側の舟状骨部にある。図の×よりはるかに近位(足の中ほど)で、しかも足底ではなく足背側であり、位置が合わない。5歳前後の男児に多く、跛行を主訴に来所する点も手がかりになる。
✗ 3. 考えにくい(答えではない)
モートン(Morton)病
中足骨頭の間を通る足底趾神経の絞扼性障害で、第3・4趾間に最も多い。圧痛は中足骨頭と中足骨頭の「間」なので、図なら趾と趾の谷の延長線上、しかも足の外側寄りに×が来るはずである。前足部を横から握り込むと(スクイーズテスト)趾に向かう放散痛としびれが誘発される。骨そのものの圧痛ではなく、趾へ走る神経症状を伴う点が種子骨障害との分かれ目になる。
ポイント
  • 足底の母趾球(第1中足骨頭の底側)に限局する圧痛=種子骨障害。母趾MTP関節の他動背屈で増悪する。
  • 母趾種子骨は短母趾屈筋腱内の内側(脛側)・外側(腓側)の2個。障害は内側種子骨に多い。
  • 圧痛点の地図で覚える。フライバーグ病=第2中足骨頭、第1ケーラー病=足舟状骨(足背内側)、モートン病=中足骨頭間(第3・4趾間が多い)。
  • フライバーグ病は第2ケーラー病とも呼ばれる。第1ケーラー病(舟状骨)と番号で取り違えない。
  • 骨端症は年齢が手がかり。第1ケーラー病は5歳前後の男児、フライバーグ病は10代の女性に多い。
  • モートン病だけは神経由来なので、圧痛に加えて趾へのしびれ・放散痛を伴い、スクイーズテストが陽性になる。
  • 種子骨障害の対応は前足部の除圧(パッド・インソール)、靴と活動量の調整。疲労骨折や壊死が疑われる経過では画像評価のため医師につなぐ。
比較表
疾患圧痛部位(図の×と照合する)好発年齢・背景特徴的所見
種子骨障害足底・母趾球=第1中足骨頭の底側(本問の×はここ)スポーツ・前足部荷重母趾MTP関節の背屈で疼痛増強、内側種子骨に多い
フライバーグ病(第2ケーラー病)第2中足骨頭(母趾の1つ外側の列)10代女性MTP関節の腫脹・可動域制限、骨頭の扁平化
第1ケーラー病足舟状骨(足背内側・足の中ほど)5歳前後の男児跛行、舟状骨の扁平化(自然回復が多い)
モートン病中足骨頭と中足骨頭の間(第3・4趾間が多い)中年女性・ハイヒール趾への放散痛としびれ、スクイーズテスト陽性
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