学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ29P103

理由で解く 柔道整復師

QJ29P103 柔道整復理論

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問103
問題
弾発股の原因でないのはどれか。
選択肢
1 中殿筋
2 大殿筋
3 腸腰筋
4 大腿筋膜張筋
解答
正解1(中殿筋)
解説

弾発股は、腸脛靱帯が大転子を乗り越える外側型と、腸腰筋腱が引っかかる内側型が主体。中殿筋はこの乗り越え運動の主役にならないので、これが答え。

外側型では、大腿筋膜張筋と大殿筋の一部が移行してできる腸脛靱帯が、股関節の屈伸に伴って大転子の外側隆起を前後に乗り越える瞬間に「ゴリッ」という音や引っかかりを生じる。内側型では腸腰筋腱が腸恥隆起や大腿骨頭の前方を滑る際に弾発し、股関節を屈曲位から伸展させる動作で鼠径部に症状が出る。ほかに関節唇損傷や関節内遊離体による関節内型がある。中殿筋も大転子に停止するが、腸脛靱帯より深層で骨に密着して付着しており、大転子の隆起をまたいで前後に往復する走行はとらない。中殿筋の障害はトレンデレンブルグ歩行などの跛行や大転子部の腱付着部炎として現れる。

✓ 1. これが答え(原因にならない)
中殿筋
大転子の外側面から上面に付着するが、腸脛靱帯のように大転子の隆起をまたいで前後に滑走する走行をとらない。中殿筋の障害は跛行(トレンデレンブルグ歩行)や大転子部の腱付着部炎として現れるもので、弾発現象の主因にはならない。
✗ 2. 答えではない(原因になる)
大殿筋
上部線維の一部が腸脛靱帯に移行しており、腸脛靱帯を後方から緊張させて大転子を乗り越えさせる。外側型の弾発股に関与する。
✗ 3. 答えではない(原因になる)
腸腰筋
腸腰筋腱が腸恥隆起や大腿骨頭の前方を滑る際に弾発する内側型の原因。股関節を屈曲・外旋位から伸展・内旋させる動作で鼠径部に音や引っかかりが出る。
✗ 4. 答えではない(原因になる)
大腿筋膜張筋
腸脛靱帯の前方を緊張させる筋で、外側型弾発股の中心となる。腸脛靱帯と大腿筋膜張筋の柔軟性を回復させるストレッチと、股関節周囲筋のバランスを整える運動が対応の基本になる。
ポイント
  • 外側型=腸脛靱帯が大転子を乗り越える。関与するのは大腿筋膜張筋と大殿筋。
  • 内側型=腸腰筋腱が腸恥隆起・大腿骨頭前方を滑る。鼠径部に症状が出る。
  • 関節内型=関節唇損傷や関節内遊離体による引っかかり。
  • 中殿筋は大転子に密着して付着し、乗り越え運動をしないため弾発の主因にはならない。
  • 外側型では腸脛靱帯・大腿筋膜張筋のストレッチと股関節周囲筋のバランス改善から取り組む。
比較表
擦れる構造乗り越える部位症状の部位
外側型腸脛靱帯(大腿筋膜張筋・大殿筋由来)大転子股関節外側
内側型腸腰筋腱腸恥隆起・大腿骨頭前方鼠径部
関節内型関節唇・関節内遊離体関節内股関節深部の引っかかり感
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