学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ29P104

理由で解く 柔道整復師

QJ29P104 柔道整復理論

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問104
問題
ドレーマン徴候が陽性となるのはどれか。
選択肢
1 単純性股関節炎
2 大腿骨頭すべり症
3 ペルテス (Perthes)病
4 発育性股関節形成不全
解答
正解2(大腿骨頭すべり症)
解説

ドレーマン徴候は、股関節を他動的に屈曲させると不随意に外転・外旋してしまう所見。大腿骨頭すべり症で陽性となる。

大腿骨頭すべり症では、成長軟骨板(骨端線)を境に骨頭が後下方へすべり、大腿骨頸部は相対的に前上方を向く形になる。この状態で股関節を屈曲させると、前方に張り出した頸部が寛骨臼の前縁に突き当たるため、それを避けるように大腿が自然と外転・外旋してしまう。これがドレーマン徴候であり、屈曲と内旋の制限とセットで押さえるとよい。肥満傾向のある学童期後半から思春期の男児に多く、股関節痛だけでなく大腿部や膝の痛みを主訴に来所することがあるため、膝を訴える子どもでは股関節の可動域も必ず確認する。すべりを疑ったら荷重を避け、速やかに医療機関へつなぐ。

✓ 2. 正しい
大腿骨頭すべり症
骨頭が後下方へすべることで頸部の前方が寛骨臼前縁と衝突し、屈曲させると逃げるように外転・外旋が誘発される。これがドレーマン徴候。屈曲・内旋の制限、跛行、膝や大腿の関連痛と併せて疑う。
✗ 1. 誤り
単純性股関節炎
幼児から学童に多い一過性の滑膜炎で、疼痛による可動域制限と跛行が主症状。数日から2週ほどで軽快することが多く、骨形態の変化を伴わないため、屈曲時に外転・外旋を強いる機序は生じない。
✗ 3. 誤り
ペルテス (Perthes)病
大腿骨頭の阻血性壊死で、5〜7歳前後の男児に多い。外転と内旋の制限、跛行、ローリングテストでの筋防御が手がかりとなり、ドレーマン徴候を代表所見とする疾患ではない。
✗ 4. 誤り
発育性股関節形成不全
乳児期に見つかる股関節の形成障害で、開排制限、大腿皮膚溝の左右差、アリス(ガレアッツィ)徴候、歩行開始後のトレンデレンブルグ徴候が指標となる。年齢層も所見も本徴候とは異なる。
ポイント
  • ドレーマン徴候=股関節を屈曲させると不随意に外転・外旋する。大腿骨頭すべり症の所見。
  • 機序は、後下方へすべった骨頭により頸部前方が寛骨臼前縁と衝突すること。
  • 好発は肥満傾向の学童期後半〜思春期の男児。屈曲・内旋制限を伴う。
  • 膝や大腿の痛みを訴えて来所することがあるため、子どもの膝痛では股関節も必ず診る。
  • 疑ったら荷重を避けて固定し、速やかに医療機関へつなぐ。
比較表
疾患好発年齢特徴的な所見
発育性股関節形成不全乳児期開排制限、アリス(ガレアッツィ)徴候、皮膚溝の左右差
単純性股関節炎幼児〜学童急な股関節痛と跛行、可動域制限。短期間で軽快
ペルテス病5〜7歳前後の男児外転・内旋制限、跛行、ローリングテストでの筋防御
大腿骨頭すべり症学童期後半〜思春期、肥満傾向の男児ドレーマン徴候、屈曲・内旋制限、膝や大腿の関連痛
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