学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ28P105

理由で解く 柔道整復師

QJ28P105 柔道整復理論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問105
問題
大腿四頭筋の肉ばなれで正しいのはどれか。
選択肢
1 求心性収縮で発生する。
2 中間広筋に多発する。
3 完全断裂では陥凹を触れる。
4 受傷直後から皮下出血斑を認める。
解答
正解3(完全断裂では陥凹を触れる。)
解説

正しいのは3です。完全断裂では断端が離れるため、損傷部に陥凹を触れます。

肉ばなれは、筋が収縮しながら引き伸ばされる遠心性(伸張性)収縮のときに、筋腱移行部を中心として筋線維が部分的あるいは完全に断裂するものです。大腿四頭筋では、股関節と膝関節の二関節にまたがる大腿直筋が最も伸張ストレスを受けやすく好発します。完全断裂では断端が離開して連続性が途切れ、陥凹として触れ、自動収縮させると近位側に筋腹の膨隆が現れます。皮下出血斑は深部の出血が皮下へ降りてくるまで時間がかかるため、受傷直後には認めず、通常は数日後に損傷部より遠位に出現します。

✓ 3. 正しい(答え)
完全断裂では陥凹を触れる。
断端が離開して筋の連続性が途切れるため、へこみとして触知できます。収縮させると断端が寄って筋腹が盛り上がるのも特徴です。
✗ 1. 誤り(答えではない)
求心性収縮で発生する。
発生するのは遠心性(伸張性)収縮のときです。ダッシュの加速や急停止、キック動作の減速局面など、筋が伸ばされながら力を出す場面で起こります。
✗ 2. 誤り(答えではない)
中間広筋に多発する。
好発は二関節筋である大腿直筋です。中間広筋は単関節筋で、股関節の動きによる伸張ストレスを受けにくいためです。
✗ 4. 誤り(答えではない)
受傷直後から皮下出血斑を認める。
深部の出血が皮下に達するまで時間を要するため、通常は受傷後数日で損傷部より遠位に現れます。直後にないことは損傷が軽いことの証明にはなりません。

対応としては、急性期は安静・冷却・圧迫・挙上で出血と腫脹を抑え、疼痛のない範囲の等尺性収縮から始めて、ストレッチ、段階的な負荷、スポーツ動作へと進めます。陥凹を触れる、著しい筋力低下があるなど完全断裂を疑う所見があれば医師の評価を受けます。

ポイント
  • 肉ばなれは遠心性(伸張性)収縮で、筋腱移行部を中心に発生する。
  • 大腿四頭筋では二関節筋である大腿直筋に好発する。
  • 完全断裂では陥凹を触れ、収縮させると筋腹が膨隆する。
  • 皮下出血斑は受傷直後にはなく、数日後に損傷部より遠位に出現する。
  • 急性期はRICE、その後は等尺性収縮から段階的に負荷を上げて再発を防ぐ。
比較表
項目誤りやすい理解実際
発生する収縮様式求心性収縮遠心性(伸張性)収縮
好発筋中間広筋大腿直筋(二関節筋)
完全断裂の所見外見上わかりにくい陥凹を触れ、収縮で筋腹が膨隆
皮下出血斑受傷直後から出る数日後に損傷部より遠位へ出現
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