学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ28P104

理由で解く 柔道整復師

QJ28P104 柔道整復理論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問104
問題
幼児に多いのはどれか。
選択肢
1 鼠径部痛症候群
2 大腿骨頭すべり症
3 単純性股関節炎
4 大腿骨頭壊死症
解答
正解3(単純性股関節炎)
解説

幼児に多いのは単純性股関節炎です。3〜10歳(多くは5〜6歳)に好発し、感冒などのあとに股関節痛と跛行で発症します。

小児から成人の股関節疾患は、好発年齢で当たりをつけられるのが大きな特徴です。単純性股関節炎は幼児から学童に最も多い一過性の滑膜炎で、数日から2週間ほどの安静で自然に軽快します。ペルテス病は5〜7歳前後、大腿骨頭すべり症は思春期で肥満傾向のある男子、鼠径部痛症候群は成長期後半以降のスポーツ選手、特発性の大腿骨頭壊死症は成人と、年齢が段階的にずれていきます。なお小児の股関節痛は膝の痛みとして訴えられることがあるため、膝に異常がないときは股関節を必ず診ます。

✓ 3. 正しい(答え)
単純性股関節炎
幼児から学童に多い一過性の股関節滑膜炎。股関節痛(膝痛として訴えることもある)と跛行が主症状で、安静により軽快します。
✗ 1. 誤り(答えではない)
鼠径部痛症候群
成長期後半から成人の、キック動作やダッシュの多い競技者にみられる股関節周囲の慢性スポーツ障害です。幼児の疾患ではありません。
✗ 2. 誤り(答えではない)
大腿骨頭すべり症
思春期(成長期)の肥満傾向のある男子に多く、骨端線で骨頭が後下方へすべり、股関節が外旋位をとります。
✗ 4. 誤り(答えではない)
大腿骨頭壊死症
ステロイド使用歴やアルコール多飲などを背景に成人に多く発症します。小児期の骨頭壊死はペルテス病として区別されます。

対応としては、股関節を安楽な肢位に保って安静と経過観察を行います。発熱がある、痛みが強く夜間も続く、2週間ほどで軽快しないといった場合は化膿性股関節炎やペルテス病の可能性があるため、速やかに医師の評価につなぎます。

ポイント
  • 単純性股関節炎=3〜10歳(多くは5〜6歳)に好発する一過性滑膜炎。安静で軽快する。
  • ペルテス病は5〜7歳前後、大腿骨頭すべり症は思春期の肥満傾向の男子。
  • 鼠径部痛症候群は成長期後半以降のスポーツ選手、特発性大腿骨頭壊死症は成人。
  • 小児の股関節痛は膝の痛みとして訴えられることがある。膝に異常がなければ股関節を診る。
  • 発熱・強い夜間痛・症状の遷延があれば化膿性股関節炎などを疑い、必ず医師へ紹介する。
比較表
疾患好発年齢特徴
単純性股関節炎3〜10歳(幼児〜学童)感冒後などに発症、跛行、安静で軽快
ペルテス病5〜7歳前後の男児大腿骨頭の阻血性壊死、跛行が持続
大腿骨頭すべり症思春期(肥満傾向の男子)骨頭が後下方へすべる、股関節外旋位
鼠径部痛症候群成長期後半〜成人キック動作の多い競技者の慢性障害
大腿骨頭壊死症成人ステロイド・アルコールなどが背景
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