学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §22 各論(軟部組織損傷) 上肢 / QJ28P103

理由で解く 柔道整復師

QJ28P103 柔道整復理論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問103
問題
ド・ケルバン(de Quervain)病で正しいのはどれか。
選択肢
1 背側腱第2区画部の狭窄性腱鞘炎である。
2 両側の発症は少ない。
3 長母指伸筋腱部に圧痛を認める。“
4 単純エックス線検査で異常所見を認める。
解答
正解2(両側の発症は少ない。)
解説

正しいのは2です。ド・ケルバン病は酷使する側に片側性で起こることが多く、両側同時の発症は少数です。

ド・ケルバン病は、手背の伸筋腱第1区画(伸筋支帯の最も橈側)を通る長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の狭窄性腱鞘炎です。橈骨茎状突起部に圧痛と腫脹が出て、母指を握り込んで手関節を尺屈させるアイヒホッフ(フィンケルシュタイン)テストで疼痛が誘発されます。妊娠・産後の女性や、手指を反復して使う作業者・スポーツ選手に多く、使用頻度の高い側に発症します。腱と腱鞘の病変なので単純エックス線では通常異常を認めず、診断は圧痛部位と誘発テストに基づきます。

✓ 2. 正しい(答え)
両側の発症は少ない。
酷使する側の第1区画に負担が集中して発症するため、片側性が一般的です。
✗ 1. 誤り(答えではない)
背側腱第2区画部の狭窄性腱鞘炎である。
障害されるのは第1区画(長母指外転筋腱・短母指伸筋腱)です。第2区画は長・短橈側手根伸筋腱で、こちらは交差症候群が生じる部位です。
✗ 3. 誤り(答えではない)
長母指伸筋腱部に圧痛を認める。“
(末尾の「“〜」は文字認識由来のノイズで、選択肢は「長母指伸筋腱部に圧痛を認める。」までです。)圧痛は第1区画の長母指外転筋腱・短母指伸筋腱、すなわち橈骨茎状突起部に認めます。長母指伸筋腱は第3区画でリスター結節の尺側を回るため位置が異なります。
✗ 4. 誤り(答えではない)
単純エックス線検査で異常所見を認める。
腱と腱鞘の病変であり、骨には通常変化がありません。エックス線は骨折や関節症など他疾患の除外に用います。

対応としては、母指の反復動作や重い物の把持を減らし、母指を含めた固定(サムスパイカ型の装具など)と局所の安静で炎症を鎮めます。改善しない場合は注射や手術の適応があるため医師へ紹介します。

ポイント
  • ド・ケルバン病=伸筋腱第1区画(長母指外転筋腱・短母指伸筋腱)の狭窄性腱鞘炎。
  • 圧痛は橈骨茎状突起部。アイヒホッフ(フィンケルシュタイン)テストで疼痛が誘発される。
  • 妊娠・産後の女性、手を酷使する人に多く、通常は片側性。
  • 単純エックス線では原則として異常なし。診断は圧痛部位と誘発テスト。
  • 母指を含む固定と反復動作の軽減が基本。改善しなければ医師へ紹介。
比較表
区画通る腱関連する疾患
第1長母指外転筋腱・短母指伸筋腱ド・ケルバン病
第2長橈側手根伸筋腱・短橈側手根伸筋腱交差症候群
第3長母指伸筋腱皮下断裂(橈骨遠位端骨折後など)
第6尺側手根伸筋腱尺側手根伸筋腱腱鞘炎・腱脱臼
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