学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ28P094

理由で解く 柔道整復師

QJ28P094 柔道整復理論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問94
問題
踵骨体部骨折で正しいのはどれか。
選択肢
1 凹足変形を呈する。
2 爪先立ちは可能である。
3 ベーラー角は減少する。
4 皮下出血斑の出現はわずかである。
解答
正解3(ベーラー角は減少する。)
解説

踵骨体部骨折では踵骨が上下に圧潰するため、ベーラー角(結節関節角)は減少します

高所からの墜落で踵から着地すると、上から距骨が踵骨に打ち込まれ、海綿骨に富む踵骨は押しつぶされて扁平化します。ベーラー角は2本の線でつくられる角です。1本目は踵骨隆起(後方結節)の上縁と後距骨関節面の頂点を結ぶ線、2本目は後距骨関節面の頂点と踵骨前方突起(前距骨関節面)の上縁を結ぶ線で、この2線がなす角をいいます。正常はおよそ20〜40度(教科書によっては30〜35度と記載されます)。圧潰によってこの角は減少し、高度な例では消失・逆転します。評価では必ず健側と比較します。海綿骨からの出血が多いため足底から足背にかけて広範な皮下出血斑が現れ、踵の横幅が増して足底のアーチは失われます。踵骨の高さが減るとアキレス腱が緩んで下腿三頭筋の力が伝わらず、疼痛と相まって荷重も爪先立ちもできません。関節内に及ぶものが多く整復が難しいため、疑った時点で医師の診察につなぎます。墜落外傷では腰椎圧迫骨折の合併も忘れず確認します。

✓ 3. 正しい
ベーラー角は減少する。
踵骨が上下方向に圧潰して扁平化するため、「踵骨隆起上縁―後距骨関節面頂点」と「後距骨関節面頂点―踵骨前方突起上縁」の2線がなす角が小さくなります。健側と比較して評価するのが原則です。
✗ 1. 誤り
凹足変形を呈する。
逆です。踵骨の圧潰によって足底のアーチが失われ、扁平足(外反扁平位)となり、踵部の横幅が増します。
✗ 2. 誤り
爪先立ちは可能である。
強い疼痛に加え、踵骨の高さが失われてアキレス腱が弛緩し下腿三頭筋の力が伝わらないため、爪先立ちはできません。荷重自体が困難になります。
✗ 4. 誤り
皮下出血斑の出現はわずかである。
踵骨は海綿骨に富むため出血量が多く、足底部を中心に足背へ広がる著明な皮下出血斑がみられます。これは診断の手がかりにもなります。
ポイント
  • 受傷機転は高所からの墜落(踵からの着地)。距骨が踵骨に打ち込まれて圧潰する。
  • ベーラー角=「踵骨隆起上縁―後距骨関節面頂点」と「後距骨関節面頂点―踵骨前方突起上縁」の2線がなす角。正常はおよそ20〜40度(教科書により30〜35度)。
  • 骨折では減少し、高度例では消失・逆転。必ず健側と比較する。
  • 変形は扁平足(外反扁平)と踵部の横径増大。凹足ではない。
  • 海綿骨からの出血が多く、足底部に広範な皮下出血斑。荷重・爪先立ちは不能。
  • 関節内骨折が多く整復困難。疑ったら医師へ紹介し、腰椎圧迫骨折の合併も確認する。
比較表
項目誤解されやすい記述実際の所見
足部の変形凹足変形扁平足・踵部の横幅増大
ベーラー角増大する減少する(正常およそ20〜40度)
爪先立ち可能不能(疼痛+アキレス腱の弛緩)
皮下出血斑わずか足底を中心に広範
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