学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ28P093

理由で解く 柔道整復師

QJ28P093 柔道整復理論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問93
問題
関節動揺が出現しないのはどれか。
選択肢
1 脛骨顆部骨折
2 脛骨顆間隆起骨折
3 脛骨粗面骨折
4 腓骨頭骨折
解答
正解3(脛骨粗面骨折)
解説

関節動揺が出現しないのは脛骨粗面骨折です。関節の外にある伸展機構の損傷で、膝を支える骨性・靱帯性の支持は壊れません。

膝の動揺(不安定性)は、関節面による骨性の支持か、側副靱帯・十字靱帯による靱帯性の支持が破綻したときに生じます。脛骨顆部は関節面そのもの、顆間隆起は前十字靱帯の付着部、腓骨頭は外側側副靱帯と大腿二頭筋腱の付着部で、いずれも壊れれば支えが失われて動揺が現れます。これに対し脛骨粗面は膝蓋腱の停止部で関節包の外にあり、壊れると膝を自分で伸ばせなくなる(伸展機構の障害)ものの、内外反・前後方向の支持は保たれます。「動揺=支持機構の破綻」「伸展不能=伸展機構の破綻」と切り分けて考えるのがコツです。

✓ 3. 動揺は出現しない(答え)
脛骨粗面骨折
膝蓋腱付着部の裂離で、部位は関節包外。主症状は膝の自動伸展障害・SLR不能と局所の圧痛で、側副靱帯や十字靱帯は無傷のため動揺は出ません。同じ部位の成長期の骨端症がオスグッド・シュラッター病です。
✗ 1. 出現する(答えではない)
脛骨顆部骨折
関節内骨折で、顆部が陥没・圧潰すると関節面の高さが崩れ、内反または外反の動揺が出ます。関節血腫を伴います。
✗ 2. 出現する(答えではない)
脛骨顆間隆起骨折
前十字靱帯付着部の裂離骨折なので、靱帯断裂と同じく前方引き出しテスト・ラックマンテストで前方動揺が出ます。
✗ 4. 出現する(答えではない)
腓骨頭骨折
外側側副靱帯と大腿二頭筋腱の付着部が引きはがされると外側支持が失われ、内反動揺が出ます。すぐ後方を走る総腓骨神経の麻痺(下垂足)の合併にも注意します。
ポイント
  • 関節動揺=関節面(骨性)か側副靱帯・十字靱帯(靱帯性)の支持が壊れたときに出る。
  • 脛骨粗面骨折は関節外・膝蓋腱付着部=伸展できないが動揺は出ない。
  • 脛骨顆間隆起骨折は前十字靱帯付着部の裂離=前方動揺。
  • 腓骨頭骨折は外側側副靱帯付着部の裂離=内反動揺。総腓骨神経麻痺に注意。
  • 「伸展できない」と「ぐらつく」は別の障害。どちらが起きているかを分けて評価する。
比較表
骨折壊れる構造動揺の型主症状
脛骨顆部骨折関節面(骨性支持)内反・外反動揺関節血腫、荷重時痛
脛骨顆間隆起骨折前十字靱帯付着部前方動揺ラックマン・前方引き出し陽性
腓骨頭骨折外側側副靱帯付着部内反動揺総腓骨神経麻痺の合併
脛骨粗面骨折膝蓋腱付着部(関節外)なし自動伸展不能・SLR不能
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