学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ28P092

理由で解く 柔道整復師

QJ28P092 柔道整復理論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問92
問題
膝蓋骨骨折で誤っているのはどれか。
選択肢
1 介達外力では横骨折を呈する。
2 骨片は離開転位する。
3 転位の軽度なものは絆創膏を用いて固定する。
4 固定は屈曲 60度とする。
解答
正解4(固定は屈曲 60度とする。)
解説

誤っているのは4です。膝蓋骨骨折の固定は膝関節伸展位が原則で、屈曲60度では骨片が引き離されます。

膝蓋骨は大腿四頭筋腱と膝蓋腱にはさまれた種子骨です。膝を屈曲するほど上下の腱の張力が骨片を引き離す方向に働き、膝蓋支帯が断裂していればなおさら離開します。したがって固定肢位は伸展位(0度〜ごく軽度屈曲)。受傷機転では、膝屈曲位で大腿四頭筋が急激に収縮する介達外力では横骨折となり、膝を直接打つ直達外力では粉砕骨折・星状骨折となります。膝の自動伸展ができるか(SLRができるか)で伸展機構の破綻を判断します。

✓ 4. これが誤り(答え)
固定は屈曲 60度とする。
屈曲すればするほど大腿四頭筋腱と膝蓋腱が骨片を上下に引き離します。整復位を保つには伸展位で固定するのが原則で、屈曲位固定は転位を助長します。
✗ 1. 正しい記述(答えではない)
介達外力では横骨折を呈する。
大腿四頭筋の急激な牽引で膝蓋骨中央付近が横に折れます。直達外力では粉砕・星状・縦骨折が多くなります。
✗ 2. 正しい記述(答えではない)
骨片は離開転位する。
膝蓋支帯が断裂すると、上方骨片は大腿四頭筋に、下方骨片は膝蓋腱に引かれて骨片間が開きます。骨片間に陥凹を触れ、膝の自動伸展ができなくなります。
✗ 3. 正しい記述(答えではない)
転位の軽度なものは絆創膏を用いて固定する。
離開が小さい例では、絆創膏で骨片を中央へ寄せ集めるように貼付し、伸展位で保持する固定が行われます。

対応としては、伸展位固定のうえ大腿四頭筋のセッティング(等尺性収縮)を早期から行い、筋萎縮と癒着を防ぎます。骨片の離開が大きい・自動伸展ができない例は観血療法の適応があるため医師へ紹介します。

ポイント
  • 膝蓋骨骨折の固定肢位は膝伸展位。屈曲位は骨片を引き離すので不適。
  • 介達外力(四頭筋の急激な収縮)=横骨折、直達外力(打撲)=粉砕・星状骨折。
  • 膝蓋支帯が断裂すると骨片は離開し、膝の自動伸展・SLRが不能になる。
  • 転位軽度なら絆創膏などで骨片を寄せて伸展位固定。
  • 固定中も四頭筋の等尺性収縮を行い、筋力低下と癒着を防ぐ。
比較表
項目介達外力直達外力
機転膝屈曲位での大腿四頭筋の急激な収縮膝前面の打撲・転倒
骨折型横骨折粉砕・星状・縦骨折
膝蓋支帯断裂しやすい保たれることが多い
骨片転位離開しやすい転位は小さいことが多い
自動伸展不能になりやすい可能なことがある
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