学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ28P091

理由で解く 柔道整復師

QJ28P091 柔道整復理論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問91
問題
以下に示す徒手検査が陽性であったとき大腿骨小転子骨折を疑うのはどれか。
選択肢
1 パトリックテスト
2 トーマステスト
3 ニュートンテスト
4 ルドロフテスト
解答
正解4(ルドロフテスト)
解説

大腿骨小転子骨折を疑うのはルドロフテストです。小転子に停止する腸腰筋の作用を単独で確かめる検査です。

大腿骨小転子には腸腰筋が停止します。骨端核が癒合していない思春期の選手が疾走・跳躍・キックで腸腰筋を急激に収縮させると、小転子が引きはがされる裂離骨折が起こります。座位では股関節が屈曲位にあり、この肢位からさらに膝を持ち上げる動作は腸腰筋がほぼ単独で担うため、そこで挙上できない・疼痛が走るなら腸腰筋停止部の破綻を疑う、という理屈です。大腿近位内側の腫脹・圧痛・皮下出血斑と合わせて評価します。

✓ 4. 正しい(答え)
ルドロフテスト
座位(股関節屈曲位)で大腿を自動的に挙上させ、腸腰筋の作用を確認します。小転子裂離骨折では疼痛のため挙上できず陽性。大腿近位内側の圧痛・腫脹を伴います。
✗ 1. 該当しない(答えではない)
パトリックテスト
股関節を屈曲・外転・外旋させる検査(Fabere)で、股関節や仙腸関節の障害をみます。腸腰筋の停止部を評価する検査ではありません。
✗ 2. 該当しない(答えではない)
トーマステスト
対側の股関節を抱え込んで骨盤の前傾を消し、検査側の大腿が挙上したままなら股関節屈曲拘縮(腸腰筋の短縮)とします。同じ腸腰筋でも「拘縮」を診る検査で、骨折の判定には使いません。
✗ 3. 該当しない(答えではない)
ニュートンテスト
仙骨を圧迫して仙腸関節の疼痛を誘発する検査で、仙腸関節障害の評価に用います。

対応としては、裂離骨折を疑ったら股関節屈曲位で安静を保ち、荷重と股関節屈曲運動を制限したうえで画像評価のため医師へ紹介します。

ポイント
  • 小転子=腸腰筋の停止部。急激な股関節屈曲で裂離骨折が起こる(成長期のスポーツ選手)。
  • ルドロフテスト=座位で大腿を挙上させ、腸腰筋の作用を単独で確認する検査。
  • トーマステストは同じ腸腰筋でも「屈曲拘縮」を診る検査で、目的が違う。
  • パトリックテスト・ニュートンテストは股関節・仙腸関節の障害の検査。
  • 骨盤・大腿近位の裂離骨折は付着筋から部位を逆算できる(上前腸骨棘=縫工筋、下前腸骨棘=大腿直筋、坐骨結節=ハムストリング、小転子=腸腰筋)。
比較表
検査名方法の要点陽性が示すもの
ルドロフテスト座位で大腿を自動挙上小転子裂離骨折(腸腰筋停止部)
トーマステスト対側股関節を抱え込み骨盤を後傾股関節屈曲拘縮(腸腰筋短縮)
パトリックテスト屈曲・外転・外旋(Fabere)股関節・仙腸関節障害
ニュートンテスト仙骨を圧迫仙腸関節障害
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