学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §6 総論 骨折 / QJ28P089

理由で解く 柔道整復師

QJ28P089 柔道整復理論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問89
問題
直達外力で起こりやすいのはどれか。
選択肢
1 上腕骨内側上顆骨折
2 橈骨近位端部骨折
3 尺骨骨幹部骨折
4 第1中手骨基部骨折
解答
正解3(尺骨骨幹部骨折)
解説

直達外力で起こりやすいのは尺骨骨幹部骨折です。前腕尺側に直接打撃を受け、当たった場所そのものが折れます。

直達外力は打撲・轢圧など「当たった部位が折れる」外力、介達外力は転倒して手をつくなど「離れた部位から伝わって折れる」外力で、圧迫(軸圧)・屈曲・捻転・剪断・裂離に分けられます。尺骨骨幹部は皮下組織が薄く骨が直下にあり、頭部をかばって腕を挙げたときに振り下ろされた物を受け止める位置にあるため、打撃部位が直接折れる代表例で、尺骨骨幹部の単独骨折を夜警棒骨折(ナイトスティック骨折)と呼びます。なお同じ前腕でも、転倒して手をついたときの介達力で橈骨・尺骨がともに折れる前腕両骨骨幹部骨折は介達骨折であり、「尺骨単独=直達」「両骨=介達」と分けて整理します。他の3つは転倒時の軸圧や筋・靱帯の牽引で生じる介達骨折です。

✓ 3. 直達外力で起こりやすい(答え)
尺骨骨幹部骨折
前腕尺側は皮下に骨が触れる部位で、防御姿勢のときに外力を真正面から受けます。打撃部が折れるため横骨折となりやすく、単独骨折では転位が小さいこともあります。橈骨頭脱臼を伴うモンテジア損傷を見落とさないよう、肘関節も必ず確認します。
✗ 1. 介達外力で起こりやすい(答えではない)
上腕骨内側上顆骨折
肘外反が強制されたとき、前腕屈筋・回内筋群と内側側副靱帯に引かれて内側上顆がはがれる裂離骨折(介達)です。小児〜若年者に多くみられます。
✗ 2. 介達外力で起こりやすい(答えではない)
橈骨近位端部骨折
手をついて転倒し、肘外反と軸圧が加わって橈骨頭が上腕骨小頭に突き上げられて生じます。圧迫(軸圧)による介達骨折の典型です。
✗ 4. 介達外力で起こりやすい(答えではない)
第1中手骨基部骨折
母指に軸圧と内転が強制されて基部が割れるベネット骨折が代表で、母指を突く受傷機転による介達骨折です。
ポイント
  • 直達=当たった場所が折れる、介達=離れた場所から力が伝わって折れる。
  • 尺骨骨幹部単独骨折=夜警棒骨折。前腕尺側の直接打撃による直達骨折の代表。
  • 同じ前腕でも前腕両骨骨幹部骨折は転倒して手をつく介達力による。「尺骨単独=直達/両骨=介達」で区別する。
  • 裂離骨折(内側上顆など)は筋・靱帯の牽引なので必ず介達。
  • 手をついて転倒=軸圧による介達骨折(橈骨近位端部・橈骨遠位端など)。尺骨骨幹部骨折をみたら、橈骨頭脱臼の合併(モンテジア損傷)を肘で確認する。
比較表
外力の種類力の伝わり方代表的な骨折
直達作用点そのものが折れる尺骨骨幹部単独骨折(夜警棒骨折)、肋骨骨折(打撲)
介達・圧迫(軸圧)長軸方向に伝わる橈骨近位端部骨折、踵骨骨折、第1中手骨基部骨折
介達・屈曲てこの原理で曲げられる鎖骨骨折、前腕両骨骨幹部骨折(転倒して手をつく介達力)
介達・裂離筋・靱帯に引かれる上腕骨内側上顆骨折、脛骨顆間隆起骨折、第5中足骨基部骨折
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