学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §15 各論(骨折) 頭部・体幹 / QJ28P083

理由で解く 柔道整復師

QJ28P083 柔道整復理論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問83
問題
疾患と症状の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 頭蓋底骨折-ブラックアイ
2 鼻骨骨折-バトル徴候
3 顎関節症ベル現象
4 頸椎棘突起骨折-ホルネル徴候
解答
正解1(頭蓋底骨折-ブラックアイ)
解説

ブラックアイ(眼窩周囲の皮下出血斑)は前頭蓋底の骨折で現れる代表的な徴候です。

頭蓋底骨折では、骨折部から出た血液が骨膜下や疎な結合組織を伝って皮下へ広がり、受傷から少し遅れて外から見える出血斑になります。前頭蓋窩の骨折なら眼窩周囲に紫色の出血斑が出現し、両側に及ぶと「パンダの目」と表現されます。側頭骨錐体部を含む骨折では、乳様突起部の皮下に出血斑が現れ、これをバトル徴候と呼びます。どちらも受傷直後には出ず、数時間から数日かけてはっきりしてくるのが特徴です。頭蓋底骨折では髄液鼻漏・髄液耳漏、難聴、顔面神経麻痺などを伴うことがあり、頭蓋内の重篤な損傷を示唆するサインになります。これらを認めたら、頸椎の保護を行いながら意識レベルと呼吸を確認し、直ちに医師の診療につなぎます。組合せ問題は「どこの出血が、どこに出るか」「どの神経の障害で、どんな現象が起こるか」の対応表を作って覚えると確実です。

✓ 1. 正しい
頭蓋底骨折-ブラックアイ
前頭蓋底の骨折で、出血が眼窩周囲の皮下に広がって生じます。両側に出るとパンダの目と呼ばれ、受傷から遅れて出現するのが特徴です。
✗ 2. 誤り
鼻骨骨折-バトル徴候
バトル徴候は乳様突起部の皮下出血斑で、側頭骨錐体部を含む頭蓋底骨折の徴候です。鼻骨骨折では鼻出血、鼻背の変形・腫脹、鼻閉が主な所見になります。
✗ 3. 誤り
顎関節症ベル現象
ベル現象は顔面神経麻痺で閉眼できないときに眼球が上転して見える現象です。顎関節症の主な症状は開口障害・関節雑音・顎関節部の疼痛です。
✗ 4. 誤り
頸椎棘突起骨折-ホルネル徴候
ホルネル徴候(縮瞳・眼瞼下垂・眼裂狭小)は頸部の交感神経路が障害されたときの所見です。頸椎棘突起骨折では、棘突起部の限局性圧痛と叩打痛、頸部の運動時痛が中心になります。
ポイント
  • ブラックアイ(眼窩周囲の皮下出血斑)=前頭蓋底骨折。両側なら「パンダの目」。
  • バトル徴候(乳様突起部の皮下出血斑)=側頭骨錐体部を含む頭蓋底骨折。
  • ベル現象(閉眼時に眼球が上転)=顔面神経麻痺。
  • ホルネル徴候(縮瞳・眼瞼下垂・眼裂狭小)=頸部交感神経路の障害。
  • 頭蓋底骨折の出血斑は受傷から遅れて出現する。髄液鼻漏・耳漏を伴えば重症のサインで、頸椎を保護しつつ直ちに医師へ。
比較表
徴候見え方本来みられる病態
ブラックアイ眼窩周囲の皮下出血斑(両側でパンダの目)前頭蓋底の骨折
バトル徴候乳様突起部の皮下出血斑側頭骨錐体部を含む頭蓋底骨折
ベル現象閉眼しようとすると眼球が上転する顔面神経麻痺
ホルネル徴候縮瞳・眼瞼下垂・眼裂狭小頸部交感神経路の障害
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