学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §15 各論(骨折) 頭部・体幹 / QJ27P074

理由で解く 柔道整復師

QJ27P074 柔道整復理論

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問74
問題
腰椎椎体圧迫骨折で正しいのはどれか。
選択肢
1 下位腰椎に多発する。
2 椎体は楔状変形を呈する。
3 亀背変形を呈する。
4 脊髄症状を呈する。
解答
正解2(椎体は楔状変形を呈する。)
解説

腰椎椎体圧迫骨折は椎体の前方が圧潰して楔状(くさび状)変形を呈する。胸腰椎移行部に好発し、椎体後壁が保たれる安定型が典型なので脊髄症状は通常みられない。

高齢者では骨粗鬆症を背景に、尻もち・重い物を持つ・軽い前屈といったわずかな外力でも発生し、明らかな受傷機転がないまま生じることもある。屈曲外力が加わると圧縮力は椎体の前方部分に集中するため、前縁の高さだけが減り、後縁の高さが保たれて断面が楔形になる。脊柱管に面する椎体後壁が破綻して骨片が後方へ突出すれば破裂骨折となり、この場合は神経症状が出うる。また脊髄そのものは第1〜2腰椎の高さで終わる(脊髄円錐)ため、それより下位では圧迫を受けるのは馬尾であり、腰椎椎体圧迫骨折で「脊髄症状」と表現される所見は通常出ない。対応で外せないのが医師との連携である。骨折の施術は応急手当を除いて医師の同意が必要であり、高齢者の椎体圧迫骨折は画像による安定性の判定と骨粗鬆症の評価・治療が欠かせないため、神経症状の有無にかかわらず、圧迫骨折を疑った時点でまず医師の診察につなぐ。以後の疼痛管理・装具(コルセット)・早期離床も、医師の診断と同意のもとで進める。下肢のしびれ・筋力低下・膀胱直腸障害があれば破裂骨折など不安定型を疑い、速やかに医師へ紹介する。

✓ 2. 正しい
椎体は楔状変形を呈する。
屈曲外力で椎体前方に圧縮力が集中し、前縁の高さが減って後縁が保たれるため、側面像で前方が低い楔形となる。圧迫骨折の最も基本的な形態的特徴である。
✗ 1. 誤り
下位腰椎に多発する。
好発部位は胸腰椎移行部(第11胸椎〜第2腰椎)で、なかでも第1腰椎に多い。可動性の乏しい胸椎から可動性の大きい腰椎へ移り変わる部位に屈曲力が集中するためで、第4〜5腰椎などの下位腰椎は好発部位ではない。
✗ 3. 誤り
亀背変形を呈する。
亀背は胸椎の後彎が強まって背部が角ばって突出する変形で、胸椎の多発圧迫骨折や脊椎カリエスなどでみられる。腰椎の圧迫骨折では生理的前彎が減る程度で、亀背変形とはいわない。
✗ 4. 誤り
脊髄症状を呈する。
典型例は椎体後壁と後方要素が保たれる安定型で、脊柱管内が侵されないため神経症状を伴わない。腰部の限局した疼痛と体動時痛が主症状となる。ただし神経症状がないからといって施術者だけで完結させてよい病態ではなく、疑った時点で医師の診察につなぐ。神経症状があれば破裂骨折など不安定型を想定し、直ちに医療機関へつなぐ。
ポイント
  • 好発は胸腰椎移行部(T11〜L2)、なかでも第1腰椎。下位腰椎ではない。
  • 屈曲外力で椎体前方が圧潰し、前方が低い楔状変形になる。
  • 椎体後壁が保たれる安定型が典型で、神経症状は通常出ない。
  • 亀背は胸椎の強い後彎を指す言葉で、腰椎の圧迫骨折とは結びつけない。
  • 骨折の施術は応急手当を除き医師の同意が必要。圧迫骨折を疑った時点で医師の診察につなぎ、骨粗鬆症の評価・治療も医師に委ねる。
  • 下肢のしびれ・筋力低下・膀胱直腸障害があれば破裂骨折を疑い、速やかに医師へ紹介する。
比較表
項目圧迫骨折破裂骨折
損傷部位椎体前方のみ圧潰椎体前方+後壁が破綻
変形楔状変形椎体全体の圧潰、後方骨片の脊柱管内突出
安定性安定型不安定型
神経症状通常なし下肢症状・膀胱直腸障害を生じうる
対応疑った時点で医師の診察につなぐ。医師の診断・同意のもとで疼痛管理と装具、早期離床を進める(骨粗鬆症の評価・治療も医師へ)直ちに医師へ紹介・搬送する
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