学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ27P075

理由で解く 柔道整復師

QJ27P075 柔道整復理論

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問75
問題
肩甲骨体部骨折で正しいのはどれか。
選択肢
1 介達外力による発生が多い。
2 横骨折はまれである。
3 大きな転位を生じる。
4 上肢の外転動作が困難となる。
解答
正解4(上肢の外転動作が困難となる。)
解説

肩甲骨体部は厚い筋層にはさまれており、折れても大きな転位は生じにくい。一方で疼痛のため上肢の外転(挙上)は困難になる。

肩甲骨は前面を肩甲下筋、背面を棘上筋・棘下筋・小円筋・大円筋、さらに外側から僧帽筋・菱形筋・前鋸筋に包まれ、胸郭上を滑るように動く。体部骨折の多くは背側からの直達外力(転倒しての打撲、交通事故など)で生じ、骨折型は横骨折や粉砕骨折が多い。厚い筋層が骨片を包み込む「筋性の副子」として働くため転位は軽度にとどまり、三角巾などによる保存療法が基本となる。上肢を外転しようとすると肩甲胸郭の運動と筋の牽引が骨折部に加わって痛むため、患側の挙上ができない。強い外力で生じる骨折なので、肋骨骨折・血気胸・鎖骨骨折・腕神経叢損傷などの合併がないかを確認し、疑えば医師へつなぐ。

✓ 4. 正しい
上肢の外転動作が困難となる。
外転では肩甲骨自体が上方回旋して動くため、骨折部に筋の牽引と運動が加わり疼痛が増強する。患者は上肢を体幹に密着させ、挙上を避ける姿勢をとる。
✗ 1. 誤り
介達外力による発生が多い。
体部骨折の多くは背側からの直達外力による。介達外力(筋の牽引や軸圧)で生じやすいのは烏口突起や関節窩・肩甲棘などの裂離・剪断型。
✗ 2. 誤り
横骨折はまれである。
体部では横骨折や粉砕骨折が多い。まれというのは当てはまらない。
✗ 3. 誤り
大きな転位を生じる。
前後を厚い筋層に包まれているため、筋が副子の役割を果たして転位は軽度にとどまることが多い。
ポイント
  • 肩甲骨体部骨折は背側からの直達外力が主。
  • 骨折型は横骨折・粉砕骨折が多い。
  • 厚い筋層が副子となり転位は軽度。保存療法が基本。
  • 疼痛のため上肢の外転・挙上が困難になる。
  • 強い外力による損傷なので、肋骨骨折・血気胸などの合併を確認して医師へつなぐ。
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