学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ26P085

理由で解く 柔道整復師

QJ26P085 柔道整復理論

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問85
問題
指骨骨折で捻転転位を伴いやすいのはどれか。
選択肢
1 末節骨横骨折
2 中節骨骨幹部骨折
3 基節骨頸部骨折
4 基節骨基部骨折
解答
正解4(基節骨基部骨折)
解説

基節骨基部骨折は、基部に付着する骨間筋・虫様筋の斜めの牽引を受けるため、屈曲転位に加えて捻転(回旋)転位を伴いやすい。

基節骨の基部には骨間筋・虫様筋が付着し、近位骨片を屈曲方向へ、しかも斜め方向に引く。一方、遠位骨片は指伸筋腱の中央索に引かれて伸展位をとるため、掌側凸の屈曲転位となり、そこに回旋が加わる。捻転転位はエックス線正面像だけでは見落としやすいので、指を軽く屈曲させたときの爪面の向きの左右差や、指先が舟状骨結節付近に収束するかどうかで判定する。基節骨は指の根元にあるため、わずかな回旋でも指先では大きなずれとなり、握り込んだときに隣の指と重なって機能障害を残す。整復では隣接指を目安に回旋を必ず矯正し、隣接指と一緒に固定して回旋の再発を防ぐ。

✗ 1. 該当しない
末節骨横骨折
骨片が短く、深指屈筋腱・終止腱・爪郭や周囲の線維性組織に支えられているため転位は軽度にとどまる。臨床上は爪下血腫や、終止腱の裂離による槌指(マレットフィンガー)が問題となる。
✗ 2. 該当しない
中節骨骨幹部骨折
浅指屈筋の停止部と骨折線の位置関係によって、掌側凸あるいは背側凸の屈曲転位を示すのが特徴。転位の方向は屈曲・伸展方向が主体で、捻転が前面に出る骨折ではない。
✗ 3. 該当しない
基節骨頸部骨折
遠位骨片が背側へ転位・回転して過伸展位をとりやすい部位で、転位の主体は矢状面の変形。捻転転位を伴いやすい代表とはいえない。
✓ 4. 正しい
基節骨基部骨折
骨間筋・虫様筋が付着する基部が折れるため、近位骨片が屈曲しつつ斜め方向に引かれ、掌側凸の屈曲転位に捻転転位が加わりやすい。整復後は爪面の向きと指先の収束で回旋を確認し、隣接指を含めた固定で保持する。
ポイント
  • 基節骨基部骨折=骨間筋・虫様筋の牽引で近位骨片が屈曲+回旋 → 掌側凸の屈曲転位に捻転転位を伴う。
  • 捻転転位の判定は、指屈曲時の爪面の向きの左右差指先が舟状骨結節へ収束するか。正面像だけでは分からない。
  • わずかな回旋でも指先では大きなずれとなり、握り込みで指が重なる機能障害を残す。回旋は許容されない。
  • 整復後は隣接指を目安に回旋を矯正し、隣接指と一緒に固定して再転位を防ぐ。
  • 部位別の転位:末節骨=軽度、中節骨骨幹部=浅指屈筋停止部との関係で屈曲転位、基節骨頸部=遠位骨片の背側転位。
比較表
骨折部位主に働く力典型的な転位
基節骨基部骨間筋・虫様筋(近位骨片)/中央索(遠位骨片)掌側凸の屈曲転位+捻転転位
基節骨頸部指伸筋腱の伸展作用遠位骨片の背側転位・過伸展
中節骨骨幹部浅指屈筋(停止部との位置関係で変わる)掌側凸または背側凸の屈曲転位
末節骨周囲軟部組織に支持される転位軽度(爪下血腫・槌指に注意)
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