学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ26P086

理由で解く 柔道整復師

QJ26P086 柔道整復理論

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問86
問題
棘果長の延長がみられるのはどれか。
選択肢
1 デュベルニー(Duverney)骨折
2 マルゲーニュ(Malgaigne) 骨折
3 セゴン(Segond)骨折
4 ポット(Pott)骨折
解答
正解1(デュベルニー(Duverney)骨折)
解説

棘果長(上前腸骨棘〜内果)は骨盤側の起点が下がれば延長し、上がれば短縮する。腸骨翼の骨片が下外方へ転位するデュベルニー骨折で延長がみられる。

棘果長は「上前腸骨棘」を起点に測るため、骨盤そのものの転位を鋭敏に反映する。デュベルニー骨折は腸骨翼だけが折れる骨折で、骨盤輪の連続性は保たれるが、中殿筋・小殿筋や大腿筋膜張筋に引かれて骨片が下外方へずれる。起点である上前腸骨棘の位置が下がるため、棘果長は延長する。これに対しマルゲーニュ骨折は骨盤輪が前後2か所で破綻する垂直不安定型で、患側の半骨盤が腹筋群・腰方形筋に引き上げられて頭側へ転位するため棘果長は短縮する。大転子を起点とする転子果長はいずれの骨盤骨折でも変化しないので、「棘果長だけが変わる=骨盤に転位がある」と読み取れる。骨盤骨折は出血量が多く全身状態が急変しうるため、疑ったらバイタルを確認して速やかに医療機関へつなぐ。

✓ 1. 正しい
デュベルニー(Duverney)骨折
腸骨翼の単独骨折。骨片が殿筋群や大腿筋膜張筋に引かれて下外方へ転位し、上前腸骨棘が下がるため棘果長が延長する。骨盤輪は保たれるので荷重は可能なことが多い。
✗ 2. 誤り
マルゲーニュ(Malgaigne) 骨折
骨盤輪の前後2か所が破綻し、患側半骨盤が頭側へ転位する。上前腸骨棘が挙上するため棘果長は「短縮」する。延長ではない点で本問の条件に合わない。
✗ 3. 誤り
セゴン(Segond)骨折
膝の脛骨外側顆から外側関節包靱帯付着部が裂離する小骨折で、前十字靱帯損傷の合併を示すサインとされる。骨盤より遠位の病変なので棘果長は変わらない。
✗ 4. 誤り
ポット(Pott)骨折
足関節果部の骨折(腓骨遠位骨折に三角靱帯断裂や内果骨折を伴う型)を指す。骨盤の位置関係は変わらないため棘果長・転子果長とも不変である。
ポイント
  • 棘果長=上前腸骨棘〜内果。起点の骨盤側が下がれば延長、上がれば短縮する。
  • デュベルニー骨折=腸骨翼の単独骨折。骨片が下外方に転位して棘果長が「延長」。
  • マルゲーニュ骨折=骨盤輪が前後2か所で破綻。半骨盤が頭側へ引かれ棘果長が「短縮」し、垂直不安定で重篤。
  • 転子果長は大転子起点なので骨盤骨折では不変。棘果長との差で転位部位を推定できる。
  • セゴン骨折は膝(ACL損傷のサイン)、ポット骨折は足関節部の病変で、下肢長計測には影響しない。
比較表
骨折部位・特徴棘果長転子果長
デュベルニー骨折腸骨翼の単独骨折(骨盤輪は保たれる)延長不変
マルゲーニュ骨折骨盤輪が前後2か所で破綻(垂直不安定)短縮不変
セゴン骨折脛骨外側顆の裂離骨折(ACL損傷の合併サイン)不変不変
ポット骨折足関節果部骨折不変不変
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