学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ27P076
理由で解く 柔道整復師
解剖頸は関節包の内側にあり、骨頭へ向かう血管の走行より近位で折れる。そのため上腕骨頭の阻血性骨壊死が最大の問題になる。
上腕骨頭の血行は主に前上腕回旋動脈の枝が結節間溝を上行して骨頭へ入る経路に頼っている。解剖頸骨折はこの血行路より中枢で骨頭が切り離される形になり、阻血性骨壊死の危険が生じる。加えて骨折部が関節包内にあることも治癒を妨げる。関節包内では骨の表面が関節軟骨と滑膜に覆われて骨膜が存在しないため、骨膜性(外骨膜性)仮骨がそもそも形成されず、内骨膜性仮骨だけに頼った治癒となる。さらに関節液が血腫の形成・器質化を妨げるため、遅延癒合・偽関節・上腕骨頭壊死が起こりうる。発生自体はまれで高齢者に多く、多くは骨頭に嵌入するため外見上の変形が乏しい。腫脹と肩の運動時痛が主体で、外科頸骨折や肩関節脱臼と紛らわしいので、鑑別には画像が必要になる。関節包内骨折は治療が難しく手術が選ばれることもあるため、疑った時点で三角巾などで上肢を安静に保ち、医師の診断につなぐ。
| 解剖頸骨折 | 外科頸骨折 | |
|---|---|---|
| 関節包との関係 | 関節包内 | 関節包外 |
| 頻度 | まれ | 多い(高齢者の転倒) |
| 変形 | 乏しい(嵌入が多い) | 転位型では変形が明らか |
| 主な合併症 | 骨頭壊死・偽関節 | 腋窩神経損傷・肩関節拘縮 |
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