学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ27P077
理由で解く 柔道整復師
上腕骨顆上骨折の伸展型では、血流の豊富な関節近傍で出血・浮腫が急速に進むため、肘関節部に高度な腫脹をきたす。残る3つは屈曲型の機序や、この骨折では起こりにくい事柄を述べている。
伸展型は肘関節伸展位で手をつき、肘に過伸展が強制されて顆上部に前方凸の屈曲力が働いて発生する。骨折線は前下方から後上方へ走り、遠位骨片は後方(および上方)へ転位する。前方に残る近位骨片の鋭端が上腕動脈や正中神経を圧迫・損傷しやすく、これに高度な腫脹が加わるとコンパートメント内圧が上がり、フォルクマン拘縮という重大な後遺症につながる。したがって橈骨動脈の拍動、手指の色調・感覚・自動運動、安静時痛の増強(とくに他動伸展での強い痛み)を繰り返し確認し、異常があれば固定を緩めたうえで直ちに医師へ引き継ぐ。小児に多く骨癒合そのものは良好だが、内反肘などの変形治癒を残さないよう整復位の保持が重要となる。
| 項目 | 伸展型 | 屈曲型 |
|---|---|---|
| 受傷肢位 | 肘伸展位で手をつく | 肘屈曲位で肘頭部を衝く |
| 顆上部に働く力 | 前方凸の屈曲力 | 後方凸の屈曲力 |
| 遠位骨片の転位 | 後方(+上方) | 前方(+上方) |
| 骨折線 | 前下方から後上方へ | 後下方から前上方へ |
| 鑑別すべき脱臼 | 肘関節後方脱臼 | 肘関節前方脱臼 |
| 頻度 | 大多数 | まれ |
解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。