学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 整形外科学 ▸ §18 部位別各論 前腕 / QJ28P064
理由で解く 柔道整復師
フォルクマン拘縮は前腕屈筋群が阻血性壊死に陥り、瘢痕化して短縮する後遺症です。母指は手掌に引き込まれる内転位、示指〜小指はMP関節過伸展+IP関節屈曲で固まるのが典型で、母指が橈側に開く橈側外転だけは生じません。
典型的には小児の上腕骨顆上骨折後、腫脹やきつい固定によって前腕の深層コンパートメント内圧が上がり、長母指屈筋や深指屈筋が壊死して短縮します。短縮した屈筋腱に引かれるため、前腕は回内、手関節は掌屈、母指は内転位、示指〜小指はMP関節過伸展・PIP/DIP関節屈曲という特有の肢位(鷲手に似た肢位)になります。母指は長母指屈筋の短縮と母指内転筋の拘縮で手掌に引き込まれるので、橈側へ開く(橈側外転)方向にはなりません。最も大切なのは発症させないことで、受傷後の激しい痛み、他動的な指伸展での痛み(passive stretch pain)、蒼白、脈拍消失、感覚障害を認めたら、ただちに固定を緩めて患肢を心臓の高さに保ち、緊急対応のできる医療機関へつなぎます。
| 変形 | 母指の位置 | MP関節 | IP関節 | 原因 |
|---|---|---|---|---|
| フォルクマン拘縮 | 拘縮による内転位(手掌へ引き込まれる) | 過伸展 | 屈曲 | 前腕屈筋群の阻血性壊死 |
| 鷲手(尺骨神経麻痺) | 麻痺により内転できない(母指内転筋麻痺=Froment徴候)。対立は正中神経支配のため保たれる | 過伸展(環・小指) | 屈曲 | 骨間筋・虫様筋の麻痺 |
| 猿手(正中神経麻痺) | 対立不能・母指球萎縮 | — | — | 母指球筋の麻痺 |
| 下垂手(橈骨神経麻痺) | 外転不能 | 伸展不能 | — | 伸筋群の麻痺 |
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