学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §11 止血 / QJ28P054

理由で解く 柔道整復師

QJ28P054 外科学概論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問54
問題
外出血で誤っているのはどれか。
選択肢
1 鼻出血
2 肺結核
3 皮下出血
4 消化性潰瘍
解答
正解3(皮下出血)
解説

この設問は「外出血に当てはまらないのはどれか」を問うています。皮下出血は組織内に血液がとどまる内出血なので、答えは3です。

外出血と内出血を分ける基準は、血液が最終的に体外へ出るかどうかの一点です。鼻腔・気道・消化管・尿路など体外に通じる管腔からの出血は、いったん体内を通っても最後は鼻出血・喀血・吐血・下血・血尿として体表に現れるため、すべて外出血に含めます。これに対して血液が閉じた腔や組織のなかにとどまるもの(血胸・血腹・関節内血腫・血腫・皮下出血)は内出血です。この区別は観察の仕方に直結し、外出血は量が目で見えるので直接圧迫による止血が最優先、内出血は失血量が外から見えないため、脈拍の増加・血圧低下・顔面蒼白・冷汗・意識レベルといったショックの徴候で全身状態を評価し、必要なら速やかに医療機関へつなぐという行動になります。

✓ 3. これが答え(外出血に当てはまらない)
皮下出血
皮下出血は皮下組織の細い血管が破れ、血液が組織のすきまにとどまったもので、点状出血・紫斑・皮下血腫として見えます。皮膚という被覆が保たれていて血液は体外に出ないため内出血に分類されます。外から色調変化として見えることと、体外に流出することは別物である点が本問の要点です。
✗ 1. 外出血にあたる(答えではない)
鼻出血
鼻中隔前下部のキーゼルバッハ部位などからの出血が、鼻腔を通ってそのまま体外へ流出します。典型的な外出血です。対応は座位でやや前傾させ、鼻翼を数分間しっかりつまんで圧迫止血します(仰臥位で顔を上に向けると血液を飲み込み、嘔吐や誤嚥の原因になります)。
✗ 2. 外出血にあたる(答えではない)
肺結核
肺結核では空洞形成などに伴って肺内の血管が破綻し、血液が気道を経て咳とともに喀血として口から出ます。気道は体外に通じる管腔なので外出血です。喀血は窒息の危険があるため、出血側を下にした側臥位で気道を確保し、直ちに医療機関へつなぐ対応が必要になります。
✗ 4. 外出血にあたる(答えではない)
消化性潰瘍
胃・十二指腸潰瘍が血管に及ぶと出血し、胃内で酸により変性した血液が吐血(コーヒー残渣様)として、あるいは腸を下って下血(黒色のタール便)として体外に出ます。消化管も体外に通じる管腔なので外出血です。ただし体外に出るまでに時間差があり、出た量と失った量が一致しないため、循環の評価はショック徴候で行います。
ポイント
  • 分類の基準はただ一つ、血液が体外に出るか否か。見た目の派手さではない。
  • 外出血=鼻出血・喀血・吐血・下血・血尿・耳出血・性器出血など。体外に通じる管腔からの出血はすべて含む。
  • 内出血=皮下出血(紫斑・血腫)、血胸、血腹、頭蓋内出血、関節内血腫など。閉じた腔・組織内にとどまる。
  • 皮下出血は「色が外から見える」だけで血液は体外に出ていない。ここが引っかけどころ。
  • 対応の違い:外出血は直接圧迫止血が第一。内出血は失血量が見えないので、脈拍・血圧・顔色・冷汗などショック徴候で評価し、速やかに医療機関へつなぐ。
比較表
外出血内出血
血液の行き先体外へ流出する体腔内・組織内にとどまる
代表例鼻出血、喀血(肺結核など)、吐血・下血(消化性潰瘍など)、血尿、創からの出血皮下出血(紫斑・血腫)、血胸、血腹、頭蓋内出血、関節内血腫
出血量の把握目で見える(ただし吐血・下血は時間差がある)外からは把握できない
初期対応の中心直接圧迫止血、患部の挙上、安静安静・冷却とショック徴候の観察、速やかな医療機関への引き継ぎ
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