学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 外科学概論 ▸ §11 止血 / QJ30P053
理由で解く 柔道整復師
タール便(黒色便)は上部消化管出血のサインである。下部消化管からの出血は赤い血が混じった血便になるため、「下部消化管出血」と「タール便」の組合せが誤り。
食道・胃・十二指腸(トライツ靱帯より口側)から出血すると、血液中のヘモグロビンが胃酸や腸内細菌の作用を受けて塩酸ヘマチンに変化し、コールタールのように黒く粘る便(メレナ)となる。腸管内にとどまる時間が長いほど黒くなるため、便の色は「出血部位がどれだけ口側か」を映す手がかりになる。一方、大腸や直腸など下部から出血した血液は変性を受ける時間がないまま排出されるので、鮮血便(血便)となる。右側結腸など通過時間が長い部位では暗赤色便になることもある。吐血を伴えば上部と判断できるが、下血だけでは部位を絞りにくい。さらに、上部からの出血でも大量かつ急速であれば腸管の通過が速まって鮮血便となることがあり、逆に鉄剤やビスマス製剤の内服でも便は黒くなる。色だけで断定せず、吐血の有無・経過・随伴症状と合わせて判断したい。
| 上部消化管出血 | 下部消化管出血 | |
|---|---|---|
| 部位 | 食道・胃・十二指腸(トライツ靱帯より口側) | 小腸下部・大腸・直腸 |
| 便の性状 | タール便(黒色・粘稠) | 鮮血便・暗赤色便 |
| 吐血 | あり得る(コーヒー残渣様) | なし |
| 主な原因 | 胃・十二指腸潰瘍、食道静脈瘤 | 大腸憩室出血、大腸癌、痔核 |
| 動脈性出血 | 静脈性出血 | |
|---|---|---|
| 色 | 鮮紅色 | 暗赤色 |
| 出方 | 拍動性に噴出 | 非拍動性、持続的にあふれる |
| 止血 | 直接圧迫を強く、迅速に | 直接圧迫と挙上で比較的止まりやすい |
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