学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 一般臨床医学 ▸ §21 臨床実地問題 / QJ28P045
理由で解く 柔道整復師
上眼瞼の浮腫性紫紅色紅斑(ヘリオトロープ疹)と、近位筋優位の筋力低下、著明なCK上昇がそろっており、皮膚筋炎が最も考えられる。
「階段が昇れない」「洗髪時に腕が挙げられない」という訴えは、いずれも大腿四頭筋・腸腰筋や三角筋といった近位筋の筋力低下を意味する。遠位筋が主に侵される末梢神経障害では、つまずきやすい・箸が使いにくいといった訴えになるため、この区別が診断の第一歩になる。CK1,870U/L(基準30〜140)という高値は筋線維の破壊を示し、筋炎の存在を裏づける。ここに上眼瞼の浮腫性紫紅色紅斑が加われば皮膚筋炎に特徴的な組合せとなる。手指の関節背面の角化性紅斑(ゴットロン徴候)、爪囲紅斑、V徴候・ショール徴候も併せて確認したい。皮膚筋炎は成人例で悪性腫瘍を合併する頻度が高く、間質性肺炎の合併は予後を左右するため、疑った時点で速やかに医療機関へつなぐことが最も重要な対応となる。柔道整復の施術対象となる運動器の愁訴と紛らわしいが、左右対称で近位優位の筋力低下と皮疹があれば、筋・骨格の局所治療ではなく医科受診を勧める。
| 疾患 | 皮膚所見 | 筋・神経所見 | その他 |
|---|---|---|---|
| 皮膚筋炎 | ヘリオトロープ疹、ゴットロン徴候 | 近位筋優位の筋力低下、CK著明高値 | 悪性腫瘍・間質性肺炎の合併 |
| 結節性多発動脈炎 | 網状皮斑、皮下結節 | 多発単神経炎(非対称) | 発熱・腎障害・高血圧 |
| 強皮症 | 皮膚硬化、指尖潰瘍 | 筋症状は軽度 | レイノー現象、嚥下障害、間質性肺炎 |
| ベーチェット病 | 結節性紅斑、痤瘡様皮疹 | 特徴的な筋症状なし | 口腔・外陰部潰瘍、ぶどう膜炎 |
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