学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §12 主要な疾患 消化器疾患 / QJ28P034

理由で解く 柔道整復師

QJ28P034 一般臨床医学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問34
問題
突然の腹痛とともに下血(鮮血便)がみられるのはどれか。
選択肢
1 クローン(Crohn)病
2 過敏性腸症候群
3 虚血性大腸炎
4 潰瘍性大腸炎
解答
正解3(虚血性大腸炎)
解説

突然の腹痛で始まり、続いて鮮血便が出るという経過は虚血性大腸炎に典型的です。

虚血性大腸炎は、腸間膜動脈の末梢枝の一過性の血流低下によって大腸粘膜が傷害される疾患です。高齢者に多く、動脈硬化、便秘によるいきみ、脱水などが誘因になります。経過は「突然の腹痛(多くは左下腹部)→まもなく下痢→鮮血便」という順で進むのが特徴で、発症の唐突さと血便の鮮やかさが手がかりです。血管支配の境界(分水嶺)にあたる下行結腸からS状結腸に好発し、多くは腸管の壊死に至らず、絶食・補液など保存的治療で数日から1〜2週で改善します。慢性に経過する炎症性腸疾患とは、この発症様式の違いで区別できます。

✓ 3. 正しい
虚血性大腸炎
突然の腹痛に続いて下痢・鮮血便が出るのが典型像です。高齢・動脈硬化・便秘が背景にあり、左側結腸に好発します。
✗ 1. 誤り
クローン(Crohn)病
若年発症が多く、腹痛・下痢・体重減少・発熱が慢性に続きます。口から肛門までの消化管に非連続性・全層性の病変をつくり、痔瘻などの肛門病変を伴います。突然の鮮血便で発症する形ではありません。
✗ 2. 誤り
過敏性腸症候群
腹痛と便通異常が慢性に続く機能性の疾患で、器質的病変を伴いません。下血は本症では起こらないため、血便があれば別の疾患を考えて検査につなげます。
✗ 4. 誤り
潰瘍性大腸炎
直腸から連続してびまん性に広がる粘膜の炎症で、粘血便や血性下痢が寛解と再燃を繰り返しながら持続します。突発一過性の経過ではありません。
ポイント
  • 虚血性大腸炎=突然の腹痛→下痢→鮮血便。高齢者、動脈硬化、便秘が背景。左側結腸に好発。
  • 潰瘍性大腸炎=直腸から連続する粘膜病変、粘血便、再燃と寛解を繰り返す。
  • クローン病=全消化管に非連続性・全層性病変(縦走潰瘍・敷石像)、痔瘻、若年発症。
  • 過敏性腸症候群=器質的異常なし。血便があれば本症とは考えない
  • 鮮血便は下部消化管出血を示唆。黒色のタール便は上部消化管出血を示唆。
比較表
疾患発症様式便の性状好発
虚血性大腸炎突然腹痛後に鮮血便高齢者・左側結腸
潰瘍性大腸炎慢性・再燃寛解粘血便・血性下痢若年〜中年・直腸から連続
クローン病慢性下痢(血便は目立ちにくい)若年・回盲部中心、非連続性
過敏性腸症候群慢性・ストレス関連下痢・便秘(血便なし)若年〜中年
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。