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理由で解く 柔道整復師

QJ27P035 一般臨床医学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問35
問題
急性膵炎で誤っているのはどれか。
選択肢
1 疼痛は仰臥位で軽減する。
2 アルコール多飲が誘因となる。
3 血液検査でアミラーゼが上昇する。
4 腹部エコーで膵臓の腫大がみられる。
解答
正解1(疼痛は仰臥位で軽減する。)
解説

急性膵炎の痛みは仰臥位で強まり、前かがみ(胸膝位)で和らぎます。「仰臥位で軽減する」が誤りで、正答は1。

急性膵炎は、本来は腸で働くはずの膵酵素が膵臓内で活性化し、膵とその周囲を自己消化してしまう病態です。膵臓は後腹膜にあるため、痛みは上腹部から背部へ放散し、仰向けで体幹が伸びると膵が伸展されて痛みが強まります。そのため患者は膝を抱えて前かがみになる姿勢(胸膝位、体を丸める姿勢)をとると楽になります。成因はアルコールと胆石が二大要因で、男性ではアルコール性、女性では胆石性が多いのが特徴。血液検査で膵酵素(アミラーゼ、リパーゼ)が上昇し、画像では膵の腫大や周囲の液体貯留がみられます。重症例は多臓器不全に至るため、強い上腹部痛と背部痛を訴える患者には施術を行わず、速やかに医療機関の受診を勧めます。

✓ 1. これが答え(誤り)
疼痛は仰臥位で軽減する。
実際は逆で、仰臥位では痛みが増強する。後腹膜にある膵が伸展されるためで、膝を抱えて前屈する胸膝位をとると軽減する。この体位そのものが急性膵炎を疑う手がかりになる。
✗ 2. 正しい(答えではない)
アルコール多飲が誘因となる。
アルコールと胆石が急性膵炎の二大成因。男性ではアルコール性が多く、女性では胆石性が多い。ほかに高中性脂肪血症、ERCP後、薬剤性なども誘因となる。
✗ 3. 正しい(答えではない)
血液検査でアミラーゼが上昇する。
膵の破壊により膵酵素が血中へ逸脱し、血清アミラーゼが上昇する。ただし発症後の低下が早いため、より特異度の高いリパーゼも併せて測定する。
✗ 4. 正しい(答えではない)
腹部エコーで膵臓の腫大がみられる。
炎症性の浮腫により膵は腫大し、周囲に液体貯留がみられる。腸管ガスで描出しにくいこともあるため、重症度評価には造影CTを用いる。
ポイント
  • 急性膵炎の痛みは仰臥位で増悪、前屈(胸膝位)で軽減。膵が後腹膜にあるため
  • 痛みは上腹部から背部へ放散する
  • 二大成因はアルコール(男性に多い)と胆石(女性に多い)
  • 血清アミラーゼ・リパーゼ上昇、画像で膵腫大と周囲の液体貯留
  • 重症例は多臓器不全に至る。強い上腹部・背部痛では施術せず受診につなぐ
比較表
疾患楽になる体位・動き特徴
急性膵炎前かがみ(胸膝位)仰臥位で増悪、背部へ放散
腹膜炎膝を曲げてじっと動かない体動で増悪、筋性防御・反跳痛
尿管結石楽な体位がなく身をよじる側腹部から鼠径部へ放散、血尿
胃・十二指腸潰瘍食事との関係で変動胃潰瘍は食後、十二指腸潰瘍は空腹時に痛む
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