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理由で解く 柔道整復師

QJ28P027 一般臨床医学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問27
問題
長期の気管支喘息患者でみられる胸郭変形はどれか。
選択肢
1 樽状胸
2 扁平胸
3 鳩胸
4 漏斗胸
解答
正解1(樽状胸)
解説

長期の気管支喘息では、息が吐ききれずに肺が過膨張し、胸郭が吸気位に固定されて前後径が増します。これが樽状胸です。

気管支喘息やCOPDのような閉塞性換気障害では、呼気時に気道が狭くなって空気を吐き出しきれず、肺に残る空気(残気量)が増えます。この状態が長く続くと、胸郭は常に息を吸い込んだ形のまま固定され、通常は左右径より小さい前後径が大きくなって断面が円に近づきます。同時に肋骨は水平化し、肋間は広がり、横隔膜は平低化して下降します。横隔膜が平らになると収縮効率が落ちるため、胸鎖乳突筋や斜角筋などの呼吸補助筋を使う努力呼吸になります。胸郭の形は「なぜそうなったか」で考えると、閉塞性疾患=ふくらんだまま=樽状胸と結びつきます。

✓ 1. 正しい
樽状胸
慢性の気道閉塞による肺の過膨張の結果、前後径が増して樽のような形になります。肋骨の水平化、肋間の開大、横隔膜の平低化を伴います。
✗ 2. 誤り
扁平胸
前後径が減って平たくなった胸郭で、やせ型体型や消耗性疾患でみられます。過膨張とは逆方向の変化です。
✗ 3. 誤り
鳩胸
胸骨が前方へ突出する変形で、くる病などの骨代謝異常や先天的な胸郭の発育異常に関連します。気道閉塞の結果ではありません。
✗ 4. 誤り
漏斗胸
胸骨下部が漏斗状に陥凹する先天性の胸壁変形です。喘息の経過で生じるものではありません。
ポイント
  • 樽状胸=前後径の増大。長期の気管支喘息・COPDなど閉塞性換気障害による肺の過膨張が原因。
  • 随伴所見:肋骨の水平化、肋間開大、横隔膜の平低化、呼吸補助筋の使用、口すぼめ呼吸。
  • 扁平胸は前後径の減少(やせ型・消耗性疾患)。
  • 鳩胸は胸骨の前方突出、漏斗胸は胸骨下部の陥凹。いずれも発育性・先天性の変形。
  • 脊柱側弯に伴う変形もあるため、胸郭の視診では脊柱も併せて観察する。
比較表
胸郭変形形態背景
樽状胸前後径が増大し円柱状気管支喘息の長期例・COPD(肺の過膨張)
扁平胸前後径が減少し平坦やせ型体型、消耗性疾患
鳩胸胸骨が前方へ突出くる病など発育性の異常
漏斗胸胸骨下部が陥凹先天性の胸壁変形
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