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理由で解く 柔道整復師

QJ29P025 一般臨床医学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問25
問題
高身長を呈するのはどれか。
選択肢
1 クレチン病
2 先端巨大症
3 ターナー(Turner)症候群
4 マルファン(Marfan)症候群
解答
正解4(マルファン(Marfan)症候群)
解説

マルファン症候群は結合組織の主成分フィブリリン-1の異常により、四肢と指趾が細長く伸びて高身長を呈する。他の3つはいずれも低身長側、あるいは身長が伸びない病態である。

身長は「骨端線が閉じるまでにどれだけ長軸方向へ伸びられたか」で決まる。したがって高身長になるには、成長期に成長ホルモン(GH)が過剰であるか、骨・結合組織そのものが縦に伸びやすい性質を持つかのどちらかが必要になる。マルファン症候群は後者の代表で、常染色体顕性(優性)遺伝によるフィブリリン-1遺伝子の異常が全身の弾性線維をゆるめ、細長い体幹・四肢、クモ状指(Marfan指)、漏斗胸、側弯を生じる。加えて水晶体亜脱臼と大動脈基部拡張・大動脈解離という命に関わる合併症を持つため、施術中に胸背部の激痛や血圧の左右差を訴えた場合は解離を疑って直ちに救急要請する。一方GH過剰でも、骨端線が閉じた後に発症すれば身長は伸びず末端が肥大するだけであり、この違いが先端巨大症と下垂体性巨人症を分けている。

✓ 4. 正しい
マルファン(Marfan)症候群
フィブリリン-1の異常で全身の結合組織がゆるみ、四肢・指趾が細長く伸びるため高身長となる。腕を広げた長さ(指極)が身長を上回る、上節下節比の低下といった体型の特徴も典型的である。水晶体亜脱臼と大動脈解離を伴う点まで一組で覚えたい。
✗ 1. 誤り
クレチン病
先天性甲状腺機能低下症で、甲状腺ホルモンが不足するため骨成長と中枢神経発達が阻害され、低身長・知的発達の遅れ・臍ヘルニア・巨舌などを呈する。新生児マススクリーニングで早期に発見し補充療法を開始すれば正常発育が得られるため、高身長ではなく低身長側の代表疾患である。
✗ 2. 誤り
先端巨大症
下垂体腺腫によるGH過剰だが、発症が骨端線閉鎖後(成人期)であるため長管骨は縦に伸びず、手足・鼻・下顎・眉弓など末端の肥大と、手袋や靴のサイズが合わなくなる変化が主体となる。同じGH過剰でも骨端線閉鎖前に起これば下垂体性巨人症となり、そちらは高身長を呈する。
✗ 3. 誤り
ターナー(Turner)症候群
X染色体が1本欠失または部分欠失した女性にみられる染色体異常(45,Xなど)で、低身長・原発性無月経・翼状頸・外反肘を特徴とする。低身長は本症候群の中核症状であり、高身長とは正反対である。
ポイント
  • マルファン症候群=フィブリリン-1異常、常染色体顕性遺伝。高身長・クモ状指・水晶体亜脱臼・大動脈解離。
  • GH過剰は「骨端線が閉じる前なら巨人症(高身長)、閉じた後なら先端巨大症(末端肥大)」で分かれる。
  • クレチン病(先天性甲状腺機能低下症)とターナー症候群はどちらも低身長の代表。
  • ターナー症候群は45,Xの女性、翼状頸・外反肘・原発性無月経を伴う。
  • マルファン症候群では大動脈解離が致死的合併症。胸背部の激痛は緊急対応。
比較表
疾患身長機序
マルファン症候群高身長フィブリリン-1異常で結合組織がゆるみ四肢が細長く伸びる
下垂体性巨人症高身長骨端線閉鎖前のGH過剰
先端巨大症伸びない(末端肥大)骨端線閉鎖後のGH過剰
クレチン病低身長先天性の甲状腺ホルモン不足で骨成長が停滞
ターナー症候群低身長X染色体の欠失(45,Xなど)
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