学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 一般臨床医学 ▸ §3 診察各論 視診 / QJ29P026
理由で解く 柔道整復師
突進歩行(突進現象)はパーキンソン病の代表的な歩行障害である。前傾前屈姿勢で重心が前方に外れ、姿勢反射障害のためブレーキがかけられず、歩幅が小さいまま加速して止まれなくなる。
パーキンソン病は中脳黒質の緻密部にあるドパミン作動性ニューロンが変性・脱落し、線条体でのドパミンが不足することで発症する。四大徴候は安静時振戦・筋固縮(歯車様固縮)・無動/寡動・姿勢反射障害で、歩行にはこれらが重なって現れる。すなわち前傾前屈姿勢で重心が支持基底面の前縁より前に出てしまい、無動のために一歩目が出ず(すくみ足)、いったん歩き出すと歩幅は小さいまま歩調だけが速くなり(小刻み・加速歩行)、姿勢反射障害で立ち直れないため前へつんのめるように進んでしまう。これが突進歩行である。歩行障害は疾患ごとに機序が違うので、「なぜその歩き方になるのか」で整理すると取り違えない。転倒リスクが高いので、施術では方向転換や狭い場所での動作をゆっくり行わせ、床の段差や敷物を減らす環境調整を家族と共有する。
| 歩行の型 | 代表疾患 | 機序 |
|---|---|---|
| 突進歩行・小刻み歩行・すくみ足 | パーキンソン病 | 重心の前方偏位+姿勢反射障害+無動 |
| 鶏歩(steppage gait) | 腓骨神経麻痺 | 足関節背屈筋麻痺による下垂足。膝・股を高く上げ、足尖から接地する |
| 動揺性歩行(アヒル歩行) | 進行性筋ジストロフィー | 骨盤帯近位筋(中殿筋など)の筋力低下 |
| 間欠跛行 | 腰部脊柱管狭窄症 | 歩行時の馬尾・神経根の血流不足(前屈で軽快) |
| 痙性歩行(はさみ足歩行) | 錐体路障害・脳性麻痺 | 下肢の筋緊張亢進 |
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