学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 一般臨床医学 ▸ §3 診察各論 視診 / QJ28P026
理由で解く 柔道整復師
失調性歩行の基本形は、両足を開いて左右に動揺する酩酊様歩行です。深部感覚障害によるものでは、足の位置を視覚で補うため足もとを見つめながら歩きます。したがって1と4の2つが該当します。
失調性歩行は運動失調(協調運動の障害)による歩行で、小脳性・感覚(脊髄)性・前庭性に分けられます。小脳性では支持基底面を広げるために開脚し、酔ったように左右へ揺れながら歩きます。感覚性は脊髄後索や末梢神経の障害で位置覚が入らないために起こり、足がどこにあるか分からないので足もとを目で確認し、踵を床に叩きつけるように歩きます(踵打歩行)。視覚で代償しているため、閉眼や暗所では著しく悪化し、ロンベルグ徴候が陽性になります。なお、名前の似た「動揺性歩行(アヒル歩行・waddling gait)」は近位筋の筋力低下で骨盤が左右に落ちる別の歩行であり、本問の「動揺しながら歩く」(失調による体幹の左右動揺)とは成り立ちが違います。歩行の型は病変部位を推定する手がかりになるので、他の異常歩行と一緒に整理して覚えると得点源になります。
| 歩行の型 | 特徴 | 代表的な病態 |
|---|---|---|
| 失調性(小脳性) | 開脚し、体幹が左右に動揺する酩酊様歩行(=本問の「動揺しながら歩く」) | 小脳障害 |
| 失調性(感覚性) | 足もとを見て踵を打ちつける。閉眼で悪化 | 脊髄後索障害・末梢神経障害 |
| 小刻み歩行 | 歩幅が狭く前傾。すくみ足・突進現象 | パーキンソン病 |
| 鶏歩 | 下垂足のため膝を高く上げ、つま先から着地 | 総腓骨神経麻痺 |
| 分回し歩行 | 患側下肢を外側へ弧を描いて振り出す | 痙性片麻痺(脳卒中後) |
| 動揺性歩行(アヒル歩行) | 骨盤が左右に大きく揺れる(waddling gait)。失調性の体幹動揺とは別概念なので区別する | 近位筋の筋力低下(筋ジストロフィーなど) |
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