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理由で解く 柔道整復師

QJ28P025 一般臨床医学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問25
問題
重症うっ血性心不全患者の姿勢はどれか。
選択肢
1 起坐位
2 仰臥位
3 側臥位
4 腹臥位
解答
正解1(起坐位)
解説

重症のうっ血性心不全では、横になると呼吸が苦しく、上体を起こすと楽になります(起坐呼吸)。そのため患者は自然に起坐位をとります。

臥位になると、下肢や腹部にたまっていた血液が心臓へ戻る量(静脈還流)が増え、さらに腹部臓器に押されて横隔膜が挙上するため、肺が広がりにくくなります。もともと左心のポンプ機能が落ちている心不全では、この余分な血液を肺から先へ送り出せず、肺うっ血が悪化して呼吸困難が強まります。上体を起こすと重力で血液が下半身にプールされて静脈還流が減り、横隔膜も下がって肺活量が増えるため症状が軽くなります。これが起坐呼吸で、左心不全・肺うっ血を示す代表的な徴候です。夜間に突然の息苦しさで目覚めて起き上がる発作性夜間呼吸困難も、同じ機序で説明できます。

✓ 1. 正しい
起坐位
上体を起こすことで静脈還流が減り横隔膜も下降するため、肺うっ血による呼吸困難がやわらぎます。前傾して手をつく姿勢をとることも多く、重症ほどこの姿勢から離れられません。
✗ 2. 誤り
仰臥位
静脈還流が最も増え、横隔膜も挙上するため肺うっ血と呼吸困難が最悪になる姿勢です。重症例ではこの体位を保てず、寝かせようとすると苦しさを訴えます。
✗ 3. 誤り
側臥位
向きを変えても上半身は水平のままなので静脈還流は減らず、呼吸困難の改善につながりません。
✗ 4. 誤り
腹臥位
胸郭と腹部が圧迫されて呼吸運動そのものが制限されるため、心不全患者ではいっそう苦しくなります。
ポイント
  • 起坐呼吸=臥位で悪化し坐位で軽快する呼吸困難。左心不全(肺うっ血)の代表的徴候。
  • 機序:坐位で静脈還流が減少横隔膜が下降して肺活量が増加
  • 左心不全ではほかに発作性夜間呼吸困難、湿性ラ音、ピンク色泡沫状痰。
  • 右心不全は頸静脈怒張・肝腫大・下腿浮腫・体重増加が中心。
  • 気管支喘息の重症発作や重症肺炎でも起坐位をとる。苦しがる患者を無理に寝かせず、上体を起こしたまま医療機関へつなぐ。
比較表
左心不全右心不全
うっ血の場所肺(肺循環)全身の静脈(体循環)
主症状呼吸困難・起坐呼吸・発作性夜間呼吸困難・咳嗽下腿浮腫・腹部膨満・食欲不振
身体所見湿性ラ音、ピンク色泡沫状痰、Ⅲ音頸静脈怒張、肝腫大、体重増加
とりやすい姿勢起坐位特有の姿勢はとりにくい
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