学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 一般臨床医学 ▸ §5 診察各論 聴診 / QJ28P028
理由で解く 柔道整復師
正解は3。急性心膜炎では、炎症でざらついた壁側心膜と臓側心膜がこすれ合い、「心膜摩擦音」が聴こえます。聴診の問題は「音源」と「音の通り道」の2つに分けて考えると整理できます。
音が体表まで届くには、発生源から胸壁までの通り道を伝わる必要があります。液体や空気が途中に入り込むと音は伝わりにくくなり(胸水・気胸・心膜液貯留=減弱)、逆に空気を失って硬く詰まった肺実質は音をよく伝えます(大葉性肺炎の硬化期=声音伝導の増強)。ただし肺が音をよく伝えるには気管支が開通していることが前提で、気管支が詰まって肺が虚脱した無気肺では、呼吸音も声音伝導も減弱します。一方、音源そのものが強くなる状況もあります。甲状腺機能亢進症や貧血・発熱では心拍出量が増えて心臓の動きが激しくなるため、心音は増強します。摩擦音は「2枚の膜がこすれる」という特有の音で、心膜炎・胸膜炎に特徴的です。心膜炎では滲出液がたまってくると2枚の膜が離れてしまい、摩擦音がかえって消えることもあるため、経過中の音の変化にも注意します。
| 聴診所見 | 増強する(強く聴こえる)状態 | 減弱する(弱く聴こえる)状態 |
|---|---|---|
| 声音伝導・声音振盪 | 大葉性肺炎の硬化期(肺胞が滲出液で置換され、かつ気管支が開通している状態) | 胸水貯留、気胸、肺気腫、胸膜肥厚(間に液体・空気・厚い膜が入る)、無気肺(気管支閉塞によるもの) |
| 心音 | 甲状腺機能亢進症、貧血、発熱、運動後(心拍出量が増える) | 心膜液貯留・心タンポナーデ、高度肥満、肺気腫(心臓と胸壁の間に緩衝物) |
| 摩擦音 | 急性心膜炎(心膜摩擦音)、胸膜炎の初期(胸膜摩擦音) | 液体が多量にたまって2枚の膜が離れると消失することがある |
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