学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §7 炎症 / QJ28A125

理由で解く 柔道整復師

QJ28A125 病理学概論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問125
問題
血漿由来の炎症メディエーターはどれか。
選択肢
1 セロトニン
2 ヒスタミン
3 ブラジキニン
4 ロイコトリエン
解答
正解3(ブラジキニン)
解説

ブラジキニンは、血漿中を流れる高分子キニノーゲンからカリクレインの作用で切り出される血漿由来の炎症メディエーターです。他の3つは細胞から放出される細胞由来のメディエーターです。

炎症メディエーターは、細胞由来血漿由来かでまず二分します。細胞由来はさらに、あらかじめ顆粒に蓄えられていて刺激ですぐ放出される型(ヒスタミン、セロトニン)と、刺激を受けてから新たに合成される型(プロスタグランジン、ロイコトリエン、血小板活性化因子、一酸化窒素、サイトカイン類)に分かれます。一方の血漿由来は、主に肝臓で作られて不活性な前駆体として血中を循環し、必要な場所で活性化されるのが共通の仕組みで、キニン系(ブラジキニン)、補体系(C3a・C5a)、凝固・線溶系(トロンビン、プラスミン)の3系統です。ブラジキニンは細動脈拡張・血管透過性亢進・疼痛を起こし、炎症の四徴(発赤・腫脹・発熱・疼痛)のうち痛みに強く関わります。

✓ 3. 正しい
ブラジキニン
血漿中の高分子キニノーゲンが、活性化された第XII因子を介して生じるカリクレインによって分解されて生成する血漿由来のメディエーターです。血管拡張、血管透過性亢進、平滑筋収縮に加えて強い疼痛を引き起こします。
✗ 1. 誤り
セロトニン
血小板の顆粒や肥満細胞などに貯蔵されており、刺激を受けて放出される細胞由来のメディエーターです。血管収縮や血管透過性亢進に働きます。
✗ 2. 誤り
ヒスタミン
肥満細胞(マスト細胞)や好塩基球の顆粒に蓄えられ、脱顆粒によって放出される代表的な細胞由来メディエーターです。細動脈拡張と細静脈の透過性亢進を起こし、急性炎症やⅠ型アレルギーの初期反応を担います。
✗ 4. 誤り
ロイコトリエン
細胞膜リン脂質から遊離したアラキドン酸が、リポキシゲナーゼ経路で代謝されて刺激後に新たに合成される細胞由来のメディエーターです。気管支平滑筋の収縮、血管透過性亢進、白血球の遊走に関わります。
ポイント
  • 血漿由来は3系統だけ:キニン系(ブラジキニン)・補体系(C3a、C5a)・凝固線溶系(トロンビン、プラスミン)
  • 血漿由来は肝で産生され、不活性な前駆体として血中を循環し局所で活性化されるのが共通の仕組み。
  • 細胞由来のうち貯蔵型=ヒスタミン・セロトニン、合成型=プロスタグランジン、ロイコトリエン、PAF、NO、サイトカイン。
  • ブラジキニンは血管拡張・透過性亢進に加えて疼痛を強く起こす。
  • 迷ったら「肝臓で作られて血中を回っているか、細胞の中から出てくるか」を自問して振り分ける。
比較表
由来主なメディエーター
細胞由来(顆粒に貯蔵、即時放出)ヒスタミン、セロトニン
細胞由来(刺激後に新規合成)プロスタグランジン、ロイコトリエン、血小板活性化因子、一酸化窒素、サイトカイン
血漿由来ブラジキニン(キニン系)、補体(C3a・C5a)、トロンビン・プラスミン(凝固線溶系)
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