学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §7 炎症 / QJ29A123

理由で解く 柔道整復師

QJ29A123 病理学概論

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問123
問題
特異性炎でないのはどれか。
選択肢
1 サルコイドーシス
2 線維素性心外膜炎
3 野兎病
4 梅毒
解答
正解2(線維素性心外膜炎)
解説

特異性炎は、組織像を見ただけで原因疾患を推定できる肉芽腫性の炎症。線維素性心外膜炎は滲出性炎に分類される非特異性炎なので、これが答えになる。

炎症はまず、血管からの滲出が主体の滲出性炎と、細胞増殖が主体の増殖性炎に分けられる。特異性炎(肉芽腫性炎)は増殖性炎の一種で、類上皮細胞、ラングハンス巨細胞、乾酪壊死といった特徴的な組織像を作り、結核・梅毒・ハンセン病・サルコイドーシス・野兎病などがここに入る。「特異的」とは原因が推定できるという意味であり、逆に原因を問わず似たような像を示す一般的な炎症を非特異性炎と呼ぶ。滲出性炎はさらに滲出物の性状によって漿液性・線維素(フィブリン)性・化膿性・出血性・壊疽性・カタル性に分けられる。線維素性心外膜炎は心外膜の表面にフィブリンが析出して絨毛のように毛羽立ってみえる(絨毛心)典型的な線維素性炎で、リウマチ熱、尿毒症、心筋梗塞後など原因はさまざまであり、組織像から原因を絞ることはできない。

✓ 2. これが答え(特異性炎でない)
線維素性心外膜炎
心外膜にフィブリンに富む滲出液が出る滲出性炎(線維素性炎)。表面が絨毛状に毛羽立つ絨毛心を呈する。原因はリウマチ熱・尿毒症・心筋梗塞後など多様で、組織像から原因を特定できないため非特異性炎に分類される。
✗ 1. 答えではない(特異性炎である)
サルコイドーシス
原因は不明ながら、乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が肺門リンパ節・肺・眼・皮膚などに多発する。特徴的な肉芽腫像をもつ特異性炎である。
✗ 3. 答えではない(特異性炎である)
野兎病
野兎病菌(Francisella tularensis)による人獣共通感染症で、所属リンパ節などに壊死を伴う肉芽腫を形成する特異性炎。野生のウサギの解体などが感染契機になる。
✗ 4. 答えではない(特異性炎である)
梅毒
梅毒トレポネーマによる感染症で、第3期にはゴム腫(ゴム様の壊死を中心にもつ肉芽腫)を形成する。血管周囲の形質細胞浸潤も特徴的で、特異性炎の代表格。
ポイント
  • 特異性炎=肉芽腫性炎。組織像から原因が推定できる炎症のこと。
  • 代表:結核、梅毒、ハンセン病、サルコイドーシス、野兎病、猫ひっかき病、真菌症。
  • 結核結節の構成:類上皮細胞+ラングハンス巨細胞+リンパ球+中心の乾酪壊死。
  • 滲出性炎の分類:漿液性・線維素(フィブリン)性・化膿性・出血性・壊疽性・カタル性。
  • 線維素性炎の代表:線維素性心外膜炎(絨毛心)、ジフテリアの偽膜、大葉性肺炎の肝変期。
比較表
区分特徴代表疾患
特異性炎(肉芽腫性炎)類上皮細胞・巨細胞による肉芽腫。像から原因を推定できる結核、梅毒、ハンセン病、サルコイドーシス、野兎病
非特異性炎・漿液性タンパクの少ない漿液の滲出熱傷の水疱、漿液性胸膜炎
非特異性炎・線維素性フィブリンに富む滲出。絨毛状・偽膜状線維素性心外膜炎(絨毛心)、ジフテリアの偽膜
非特異性炎・化膿性好中球が主体、膿の形成膿瘍、蜂窩織炎、蓄膿症
非特異性炎・出血性赤血球の著明な漏出出血性膀胱炎、インフルエンザ肺炎
非特異性炎・壊疽性腐敗菌が加わり組織が崩壊壊疽性虫垂炎、壊疽性口内炎
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