学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §5 循環障害 / QJ28A121

理由で解く 柔道整復師

QJ28A121 病理学概論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問121
問題
出血に関する組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 血友病微小血栓
2 外傷漏出性出血
3 動脈瘤破綻性出血
4 血小板減少新生児メレナ
解答
正解3(動脈瘤破綻性出血)
解説

動脈瘤はもろくなった血管壁が裂けて出血するため、血管の連続性が断たれて起こる破綻性出血にあたります。組合せとして正しいのはこの1つです。

出血はまず破綻性出血漏出性出血に大別します。破綻性出血は外傷・動脈瘤破裂・心破裂のように血管壁が物理的に破れて起こるもの、漏出性出血は血管壁に肉眼的な破れがないのに透過性が高まって赤血球がしみ出るもので、うっ血、ビタミンC欠乏(壊血病)、血小板減少、敗血症などでみられます。もう一つの軸が止血機構のどこが壊れているかで、血小板の数・機能の異常なら点状出血・紫斑が中心、凝固因子の異常なら関節内出血や筋肉内出血のような深部の出血が目立ちます。この2軸で肢を読み直すと、正しく対応しているのは動脈瘤と破綻性出血の組合せだけだと分かります。

✓ 3. 正しい
動脈瘤破綻性出血
動脈瘤は動脈壁が局所的に薄く弱くなって膨らんだ状態で、内圧に耐えられなくなると壁が裂けて大量出血します。血管壁の連続性が断たれる出血なので、破綻性出血と正しく対応します(脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血が代表例)。
✗ 1. 誤り
血友病微小血栓
血友病は凝固第VIII因子(A型)または第IX因子(B型)の欠乏による出血傾向の疾患で、関節内出血や筋肉内出血を繰り返します。全身の細血管に微小血栓が多発するのは播種性血管内凝固症候群(DIC)であり、血友病と結びつく病態ではありません。
✗ 2. 誤り
外傷漏出性出血
外傷では血管壁そのものが切れたり裂けたりして出血するので、これは破綻性出血です。漏出性出血は血管壁に明らかな破れがないまま透過性亢進で赤血球がしみ出るもので、うっ血や壊血病などが該当します。
✗ 4. 誤り
血小板減少新生児メレナ
新生児メレナ(新生児の消化管出血)の主因はビタミンK欠乏で、ビタミンK依存性凝固因子(第II・VII・IX・X因子)が産生できないために起こります。予防としてビタミンKの投与が行われます。血小板減少で典型的にみられるのは点状出血や紫斑です。
ポイント
  • 破綻性出血=血管壁が破れて起こる。外傷、動脈瘤破裂、心破裂、消化性潰瘍の穿通など。
  • 漏出性出血=壁の破れなしに透過性亢進でしみ出る。うっ血、ビタミンC欠乏(壊血病)、血小板減少、敗血症など。
  • 血友病=第VIII/IX因子欠乏。関節内・筋肉内出血が特徴で、微小血栓が主役のDICとは正反対の病態。
  • 新生児メレナ=ビタミンK欠乏による凝固因子(II・VII・IX・X)低下。ビタミンK投与で予防する。
  • 出血の問題は「壁が破れたか/しみ出たか」と「血小板か凝固因子か」の2軸に分けて確認する。
比較表
選択肢の語本来対応するもの
血友病凝固第VIII/IX因子欠乏 → 関節内・筋肉内出血(微小血栓はDIC)
外傷破綻性出血
動脈瘤破綻性出血 ✓
血小板減少点状出血・紫斑(漏出性出血)(新生児メレナはビタミンK欠乏)
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