学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §4 退行性病変・代謝障害 / QJ28A120

理由で解く 柔道整復師

QJ28A120 病理学概論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問120
問題
血中間接(非抱合型)ビリルビンが増加するのはどれか。
選択肢
1 胆石症
2 デュビン・ジョンソン(Dubin-Johnson)症候群
3 乳頭部癌
4 溶血性貧血
解答
正解4(溶血性貧血)
解説

溶血性貧血では赤血球の破壊が亢進してビリルビンの産生が増え、肝臓のグルクロン酸抱合能を超えるため、間接(非抱合型)ビリルビンが血中に増加します。

ビリルビンは寿命を終えた赤血球のヘモグロビンに由来し、脾臓などで生成した時点では水に溶けない間接(非抱合型)ビリルビンとしてアルブミンに結合して運ばれます。これが肝細胞に取り込まれてグルクロン酸抱合を受けると水溶性の直接(抱合型)ビリルビンとなり、胆汁中へ排泄されて腸へ流れます。したがって黄疸は、抱合より手前でつまずけば間接優位(産生過剰=溶血、取り込み・抱合の障害)、抱合より後でつまずけば直接優位(肝細胞からの排泄障害、胆管の閉塞)という一本道で整理できます。本問の4肢はこの流れのどこが障害されているかを問うており、産生過剰にあたるのは溶血性貧血だけです。

✓ 4. 正しい
溶血性貧血
赤血球が過剰に破壊されてヘモグロビン由来のビリルビン産生が増え、肝の抱合能力を上回るため間接ビリルビンが血中に蓄積します(肝前性・溶血性黄疸)。間接ビリルビンは水に溶けず尿には出ないため、尿ビリルビンは陰性で、貧血・脾腫・尿中ウロビリノーゲン増加を伴うのが典型です。
✗ 1. 誤り
胆石症
総胆管などに結石が詰まると胆汁の流出路がふさがれ、いったん抱合された直接ビリルビンが血中へ逆流します(肝後性・閉塞性黄疸)。直接ビリルビンは水溶性なので尿が濃くなり、便は灰白色になります。増えるのは直接型です。
✗ 2. 誤り
デュビン・ジョンソン(Dubin-Johnson)症候群
肝細胞が抱合したビリルビンを毛細胆管へ排泄する輸送体の障害による体質性黄疸で、抱合そのものは行われるため増えるのは直接ビリルビンです。肝が黒褐色を呈するのも特徴です。
✗ 3. 誤り
乳頭部癌
十二指腸乳頭部(ファーター乳頭部)の癌は胆汁の出口をふさぐため、胆石症と同じく閉塞性黄疸をきたし直接ビリルビンが増加します。無痛性黄疸で発見されることが多い疾患です。
ポイント
  • 間接(非抱合型)=肝で抱合される前。水に溶けず尿に出ない。増えるのは溶血性貧血、新生児黄疸、ジルベール症候群など。
  • 直接(抱合型)=肝で抱合された後。水溶性で尿に出る。増えるのは胆石症、乳頭部癌・膵頭部癌、Dubin-Johnson症候群など。
  • ビリルビンの流れ「赤血球 → 間接 → 肝で抱合 → 直接 → 胆汁 → 腸」のどこで止まったかを考えれば型が決まる。
  • 閉塞性黄疸では尿が濃くなり便が灰白色になる、溶血性黄疸では尿ビリルビン陰性、と所見もセットで押さえる。
  • 黄疸の問題は、まず「抱合の前か後か」を口に出して判定してから肢を選ぶ。
比較表
黄疸の型主に増えるビリルビン代表疾患
肝前性(溶血性)間接(非抱合型)溶血性貧血、新生児黄疸
体質性(抱合障害)間接(非抱合型)ジルベール症候群、クリグラー・ナジャー症候群
肝細胞性直接・間接の両方急性肝炎、肝硬変
体質性(排泄障害)直接(抱合型)Dubin-Johnson症候群、ローター症候群
肝後性(閉塞性)直接(抱合型)胆石症、乳頭部癌、膵頭部癌
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